PRONEWS https://jp.pronews.com https://jp.static.pronews.com/pronewscore/wp-content/uploads/2023/06/og.png PRONEWS https://jp.pronews.com/ https://jp.static.pronews.com/pronewscore/wp-content/uploads/2023/06/PRONEWS_230615.jpg Fri, 04 Jul 2025 01:17:36 +0000 ja (c) PRONEWS Co., Ltd. Blackmagic Design導入事例:フランスの有料放送CANAL+「MotoGP」撮影の場合 https://jp.pronews.com/news/202507040824623876.html 623876 Fri, 04 Jul 2025 08:24:16 +0000 technology Blackmagic Designによると、フランスの大手有料放送CANAL+が、MotoGP(ロードレース世界選手権)のドキュメンタリーを新製品Blackmagic URSA Cine Immersiveカメラで全編撮影し、DaVinci Resolve Studioで仕上げたという。

MotoGPとAppleが協力して制作した同ドキュメンタリーは、ル・マンで開催されたフランス・グランプリにおいて、世界チャンピオンのヨハン・ザルコと彼のチームが劇的な勝利を収める様子を追っている。このスポーツドキュメンタリーは、撮影、ポストプロダクション、そしてApple Vision Proでの視聴を実現する新世代イマーシブ・ワークフローの一部である。

MotoGPは常に、観客がスクリーン上でより多くの内容を視聴できるよう挑戦してきた。CANAL+は、最新のプロジェクトで、レースウィークエンドを特徴づけるスピード感だけでなく、静かな瞬間もキャプチャーすることを目指した。

同ドキュメンタリーは、8160×7200(58.7メガピクセル)のデュアルセンサーを搭載したURSA Cine Immersiveカメラを使用して90fpsで撮影され、Appleの空間オーディオとミックスされた1つのファイルに3Dのイマーシブ・シネマコンテンツが書き出された。このMotoGPのスポーツ体験では、ピットレーンやパドックから表彰台まで、視聴者はアクションの中心に身を置くことになる。

CANAL+のエティエンヌ・ピドゥー氏は、次のようにコメントしている。

ピドゥー氏:MotoGPは、まさにこのフォーマットにうってつけのイベントです。

生のスピードを体感し、フラットスクリーンでは見逃してしまうようなディテールまで見ることができます。これまで以上にマシンやチームを近くに感じることができるんです。

視聴者をアクションの中心置くために、CANAL+は複数のURSA Cine Immersiveカメラを使用したという。

CANAL+のピエール・マイラット氏は、次のようにコメントしている。

マイラット氏:2台のカメラを台座に設置し、1台のカメラをステディカムに設置しました。

その瞬間に起こっている出来事に応じて、ステディカムと固定のセットアップをすばやく切り替えられるようにすることが狙いでした。ステディカムのセットアップは非常に重宝しましたね。

ステディカムのおかげで、瞬時に変化する環境に迅速に対応でき、撮影時の機敏性も向上しました。

ピドゥー氏:イマーシブビデオは、撮影の仕方を変えます。

180°の視野があるため、計画により多くの時間を費やす一方で撮影の時間は減り、撮影後に構図を再び考えることになります。ピットレーンのような狭くてごちゃごちゃした空間の撮影では特に顕著ですね。

チームのガレージ内の照明も考慮する必要があったという。

ピドゥー氏:90fpsのステレオスコピック撮影を補うために、追加の照明を使用しました。

各カメラには、一次空間オーディオを拾うためのアンビソニックマイクが取り付けられ、インタビューやその他の重要な音源には個別のマイクが追加で使用された。

マイラット氏:イマーシブミックスはアンビソニックスAフォーマットで収録し、他のソースはチャンネルベースで収録しました。

すべてワイヤレスでタイムコードを付け、カメラと外部レコーダーの両方で同期しました。

DaVinci Resolve Studioを起動したMac StudioとApple Vision Proを搭載したポータブルの制作カートが走路の側に設置され、状況に応じてショットのモニタリングおよびテストを行った。

マイラット氏:このアプローチにより、撮影直後にコンテンツを確認したり、現場でフレーミングを確認することができました。

Canal+は、メディアのオフロードとバックアップ処理用に、DaVinci Resolve Studioを起動した2台目のMac StudioとApple Vision Proをルマンのホテルに設置した。8TBの内部ストレージを使用してメディアモジュールに直接収録することで、撮影スタッフはカードを交換することなく、トラック上で2時間を超える8Kのステレオスコピック3Dのイマーシブ映像を撮影することができた。

ポストプロダクションはパリで行われ、Canal+はMac StudioでDaVinci Resolve Studioで、編集、カラーグレーディング、オーディオミキシングを行った。

マイラット氏:ステレオスコピックのタイムラインをApple Vision Proで直接プレビューすることもできました。イマーシブのグレーディングに不可欠です。

空間オーディオは、DaVinci Resolve StudioのFairlightでミキシングされた。

マイラット氏:当初は他のデジタルオーディオ・ワークステーション(DAW)を使用するつもりだったのですが、DaVinci Resolve StudioとFairlightは、Apple Vision Proにクリエイティブな柔軟性と高品質な結果の両方を提供してくれるプラットフォームでした。

ピドゥー氏:URSA Cine Immersiveカメラを使って撮影し、Apple Vision Proで確認すると、普段は背景として扱うものの中に、素晴らしい瞬間が見つかりました。トラックの清掃、ヘルメットのクローズアップ、観客、それらすべてが体験の一部となるんです。

MotoGPおよびAppleのイマーシブ・スポーツ体験は、2025年9月からApple Vision ProのCANAL+アプリで視聴可能。

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キヤノン「EOS C400/C80」が新ファームウェアで進化。3段階のBaseISO設定やVP機能をアピール Vol.04 [CineGear2025] https://jp.pronews.com/special/202507032314623803.html 623803 Thu, 03 Jul 2025 23:14:42 +0000 technology キヤノンブースでは、「EOS C400」と「EOS C80」が主要な展示製品であった。2024年11月に発売されたEOS C80は、Cine Gear LA Expo初登場だ。また、2025年6月5日に発表されたEOS C400/C800新ファームウェアに関する実機展示も行われた。来場者は、7月下旬の一般公開に先立ち、このファームウェアアップデートの内容を実機で体験することができた。

このアップデート情報はキヤノンUSAが既に公開し、YouTubeで紹介ビデオも配信しているが、一部地域、例えば日本ではまだ公式発表されていない。キヤノンUSAによれば、米国では2025年7月下旬に一般公開される予定である。

キヤノンブースは「EOS C400」と「EOS C80」が主要な展示だ

カメラ表示機能の強化とバーチャルプロダクション対応の進化

今回のファームウェアアップデートの大きな特徴の一つは、EOS C400およびEOS C80のカメラモードにおける「DISPレベル2」の表示強化である。画面表示が更新され、センサーモードと解像度、各カードスロットで選択された記録コーデック、カスタムピクチャー、ガンマ、色空間、電子水準器の傾斜など、より多くの情報が一目で確認できるようになった。これにより、画面にほぼ全ての情報を集約して表示できるようになった点が今回の主要なアップデート要素である。

アップデートを適用した表示の様子

もう一つの主要なアップデートは、両カメラがバーチャルプロダクション向けにCVプロトコルのマルチキャストに対応することだ。これにより、1台のカメラから複数のPCへレンズメタデータなどのデータを送信できるようになる。

ブースではCV Protocolをリアルタイム表示する様子が公開された

キヤノンのバーチャルプロダクションシステムは、レンズとカメラの撮影情報をリアルタイムで通信・演算し、バーチャルプロダクションに適したCVメタデータをイーサネットケーブル1本で取得・記録する機能を持つ。このCVプロトコル自体はEOS C400の発売当初から対応しており、今後さらに活用が期待されている。

撮影現場での効率を高める新機能群

その他のアップデートに関しても紹介する。EOS C400およびEOS C80のファームウェアアップデートにおいて、Cinema RAW Lightクリップをカメラ内で再生する際に、歪曲収差と色収差の補正に対応した。これにより、制作チームはメディアをコンピューターに転送することなく、撮影現場で映像を正確に確認できるようになった。

また、これらのカメラでは、登録可能なルック/LUTファイルの数が20から256に増加し、記録中にデジタルIS(手ブレ補正)を一時停止する機能も追加された。

EOS C400には、トラッキングAFとマニュアルフォーカスを組み合わせる機能が加わった。トラッキングAFが有効な状況下でも、レンズのフォーカスリングを使用して手動でフォーカスを調整でき、マニュアルフォーカス完了後はカメラがフォーカスを保持し、トラッキングAFが自動的に再開される仕組みである。

3段階のBaseISO設定技術をデモンストレーション

ブース内では、キヤノン独自の「3段階のBaseISO設定」のデモンストレーションも注目を集めた。この技術は、裏面照射積層型6Kフルフレームセンサーを搭載した、EOS C400とEOS C80のみに対応する。

キヤノンEOS C400およびEOS C80は、3段階のBase ISO設定に対応している
左のEOS C80がベースISO 800で、右のEOS C80がベースISO 12800

デモンストレーションでは、ベースISO 800とベースISO 12800の比較が行われた。ND6ストップフィルターを使用し、F16まで絞られた極めて暗い環境下での撮影設定であったが、ベースISO 12800ではISO感度6400設定時でもノイズがほとんど目立たず、ベースISO 800設定時と比較して低ノイズ性能が際立っていた。

    テキスト
ベースISO 800とベースISO 12800の比較
※画像をクリックして拡大

EOS C400とEOS C80は、ISO800/3200/12800の3つのベースISOから選択が可能だ。通常の撮影環境では800、夕方や夜間などの状況では3200、さらに特殊な低照度環境では12800を用いることで、ノイズを抑えながら撮影できる点が特長だ。

EOS C400の発表から約3ヶ月後にEOS C80が発表されたため、EOS C80はEOS C400の廉価版と見られる傾向があるが、実際には3段階のBaseISO設定をはじめとするEOS C400の主要な機能がEOS C80にもほぼ継承されている点も注目点だ。

レンズ展示とマルチカメラコントロールの進化

キヤノンブース中央には「レンズバーコーナー」が設置され、通常見ることのできない放送用レンズが多数展示されていた。シネマレンズでは「Sumire Prime」、放送用レンズではフルサイズズームやシネマズーム「FLEX ZOOM LENS」などが並べられ、来場者は実際にレンズを手に取りながら説明を受けることができた。

展示レンズの中には、動画と静止画の両方に対応し、全てのレンズで形状が統一された大口径超広角単焦点Lレンズ「F1.4 L VCM」シリーズも含まれた。20mm、24mm、35mm、50mmの4本がラインアップされており、20mmから50mmまでの焦点距離で完全に同じサイズを実現することで、ジンバルでのレンズ交換が容易になるなど、撮影現場での利便性が高められている。

EOS C400とEOS C80に対応する「Canon Multi-Camera Control」のデモンストレーションも実施された。このアプリはWi-Fi経由でカメラを制御するもので、複数のカメラの同時スタート・ストップ制御に加え、タブレット1台で複数のカメラのシャッター操作や各種設定変更を細かく行える。パワーズーム対応レンズであれば、ズーム操作も可能であった。

さらに同社ブースでは、Cine Gear Expo LAであるがゆえにPTZカメラの展示は控えめであったものの、次期バージョンでCanon Multi-Camera ControlがPTZカメラをサポートするという、まだ公開されていないベータ版のデモが行われた。

デモでは、タブレットのタッチパネルからパンやチルトのコントロールが可能になる予定であることが示され、CR-N700、CR-N500、CR-N300などのPTZカメラがCanon Multi-Camera Controlで制御される様子が公開された。PTZ関連では、他にも様々なアップデートが計画されているとのことである。

CR-N700、CR-N500、CR-N300をCanon Multi-Camera Controlでコントロールするデモが公開されていた
画面の下のタッチパネルでPTZカメラのコントロールが可能になるという
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ヤマハ、高音質コンデンサーマイクロフォン「YCM705」発売。楽曲制作を中心にライブ配信や映像コンテンツ制作にも最適 https://jp.pronews.com/news/202507031802624029.html 624029 Thu, 03 Jul 2025 18:02:24 +0000 technology ヤマハ株式会社は、楽曲制作を中心にライブ配信や映像コンテンツ制作にも最適なコンデンサーマイクロフォン「YCM705」を2025年7月10日(木)に発売する。希望小売価格は税込48,400円。

YCM705は、感情豊かなボーカルの繊細な息づかいや、楽器を演奏する指づかいも逃すことなく音の細部まで忠実に捉え、楽曲制作やライブ配信、映像コンテンツ制作において、クリエイターやアーティストが音・音楽に込めた想いをありのままに表現する「True Sound」を実現するコンデンサーマイクロフォンだ。

カスタム設計の1インチラージダイアフラムコンデンサーカプセルを採用し、目的の音を捉えやすい単一指向性に対応している。また、入力信号を3段階変更可能なパッドスイッチを搭載し録音の自由度を高めたほか、不要な低域ノイズを低減することで音源をクリアに録音可能なローカットフィルターを搭載している。

ブラックとホワイトの2種類のカラーバリエーションを用意し、いずれも、管楽器のフォルムから着想を得た、流れるような曲線をデザインに取り入れている。

主な特長

カスタム設計のマイクロフォンカプセルと録音性能

YCM705は、感情豊かなボーカルの繊細な息づかいや、楽器を演奏する指づかいを逃すことなく臨場感あふれるサウンドを再現する、カスタム設計の1インチラージダイアフラムコンデンサーカプセルを採用した。

また、単一指向性のため目的の音を捉えやすく、レコーディングにおいてプロレベルの仕上がりを容易にし、クリエイターやアーティストが音・音楽に込めた想いをありのままに表現する「True Sound」を実現する。

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録音の自由度を高めるパッドスイッチを搭載

YCM705はパッドスイッチを搭載し、入力信号をOFF、-10dB、-20dBの3段階で変更可能だ。ボーカルやアコースティックギターだけでなく、大音量のドラム、管楽器、金管楽器、ピアノなどの楽器も録音することができる。

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不要な低域ノイズを減らすローカットフィルターを搭載

YCM705は、ローカットフィルターを搭載し、エアコンの音など不要な環境音や低域ノイズを低減することで、音源をよりクリアにレコーディングできる。また、複数の楽器をそれぞれ別のトラックに録音する場合、不要な低域を調整することで、最終的なミキシング作業を容易にする。

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楽器を想起させる、流れるような曲線を取り入れたデザイン

「YDMシリーズ」同様にYCM705にも、管楽器の流れるような曲線から着想を得た、洗練されたデザインを採用している。また、堅牢なメタルボディはマットな表面仕上げを施すなど細部にまでこだわった全体のデザインは、基本性能の高さとレコーディングツールとしての奥深いポテンシャルを表現している。

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音質を高め、快適に使用するためのアクセサリーを付属

YCM705は、マイクスタンドから伝わる振動を低減するショックマウントや、音質を損なうことなくボーカル録音時に発生するノイズを防ぐポップフィルターなど充実したアクセサリーを付属している。

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主な仕様

形式 1インチ ラージダイアフラム DCバイアスコンデンサー
指向性 カーディオイド
PAD 0/-10/-20 dB、切替可能
ローカットフィルター 80/160Hz、6dB/oct、切替可能
周波数特性 20Hz~20kHz
感度 24 mV/Pa(-32.5dBV/Pa at 1kHz,0dB PAD,1Pa=94dB SPL)
出力インピーダンス 200Ω以下
最大入力音圧レベル 120/130/140dB(0/-10/-20dB PAD)(0.5%THD at 1kHz)
ダイナミックレンジ 108/118/128dB(0/-10/-20dB PAD)
ファンタム電源 48V/4mA
SN比 82dB
寸法(マイクのみ) Ø55×H219mm
質量 671g(マイクのみ)、842g(ショックマウント含む)
端子 XLR3ピン
同梱品 マイクロフォン、ショックマウント、ポップフィルター、マイクポーチ、変換ネジ(3/8インチ-5/8インチ変換)×1、ショックマウント用ゴムリング(予備)×4、取扱説明書(保証書付)
]]> ]]> ]]> ]]> Vizrt社、オーディオ接続・管理ソリューション「Viz Connect Audio」発売。NDIネットワークで一元管理 https://jp.pronews.com/news/202507031734624010.html 624010 Thu, 03 Jul 2025 17:34:25 +0000 technology 株式会社アスクは、同社が取り扱うVizrt社の新製品「Viz Connect Audio」の国内取り扱いを開始した。

Vizrt社が開発するNDI対応のオーディオ接続・管理ソリューション「Viz Connect Audio」は、これまで映像中心だったNDIワークフローにおいて、オーディオ信号もネットワーク上で柔軟に取り扱うことを可能にする。

オーディオ信号のルーティングや管理をネットワーク経由で一元化できるため、煩雑だった配線作業や機材設定の負担を軽減。ライブイベント、配信スタジオ、教育機関、企業配信、放送局など、多様な制作現場でオーディオ運用の効率化と省力化を実現するという。

Viz Connect Audioについて

Viz Connect Audioは、NDIネットワークに対応したオーディオ専用の接続・管理ソリューション。映像信号と同様に音声信号もNDIで取り扱い、ネットワーク上で柔軟にオーディオのルーティング・スイッチングが可能。高品質なNDI変換に対応し、複数のマイク、ミキサー、オーディオインターフェースなどからの入力を一元管理することで、オペレーターの負担を軽減する。

また、NDI Bridge機能との連携により、クラウドや遠隔地との音声伝送にも対応。専用の追加機材を用意することなく、安定した高品質のリモートオーディオ制作環境を構築できる。

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製品特徴

  • 48kHz/32bit浮動小数点による高品質なNDI変換に対応
  • フロントパネルまたはWeb UIからゲイン調整・ファントム電源のオン/オフが可能
  • 8chのモノラルアナログ入力(XLR‑1/4"コンボ)、4chのモノラルアナログ出力(XLR)を搭載
  • ヘッドホン出力とソロ機能を搭載し、現場での音声確認も容易
  • NDIネットワーク上で柔軟なオーディオ信号の送受信・ルーティングが可能
  • NDI Bridgeとの統合により、クラウドやリモート環境での音声伝送にもスムーズに対応
  • 配線工数を最小限に抑え、設営・撤収作業の効率化を実現
  • ライブイベント、配信、教育機関、企業配信、放送局など多様な現場で活用可能

活用例

  • ライブイベント・配信現場:マルチカメラ収録・配信時のマイク音声やBGM、通訳音声の統合管理
  • 教育機関・オンライン講義:教室・遠隔地間の講義音声統合による柔軟な教育配信環境の構築
  • 企業の社内イベント・ウェビナー:全社会議や製品発表会など、複数音声ソースの簡易運用に最適
  • リモートプロダクション・クラウド制作:拠点間をまたぐ音声送受信を安定して実現
  • 放送局・CATV局:小規模中継やニュース収録における柔軟な音声ルーティング
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SHOTEN、マウントアダプター「CFD-LM-A/LM-LSL-A」発売。New FD、FD、FL、Rの4種類のレンズをライカMマウントのカメラで使用可能に https://jp.pronews.com/news/202507031547623869.html 623869 Thu, 03 Jul 2025 15:47:32 +0000 technology 株式会社焦点工房は、SHOTENのマウントアダプター「CFD-LM-A」と「LM-LSL-A」を発売した。希望小売価格は以下の通り。

  • CFD-LM-A:税込6,600円
  • LM-LSL-A:税込7,700円

SHOTEN CFD-LM-A は、キヤノン製一眼レフ用交換レンズであるNew FDマウント、FDマウント、FLマウント、Rマウントの4種類のレンズを、ライカMマウントのカメラで使用するためのマウント変換アダプターだ。TECHART製電子マウントアダプター LM-EA9 MarkII、TZM-02、LM-EA7との併用も可能。

CFD-LM-A

SHOTEN CFD-LM-A は、キヤノン製一眼レフ用交換レンズであるNew FDマウント、FDマウント、FLマウント、Rマウントの4種類のレンズを、ライカMマウントのカメラで使用するためのマウント変換アダプターだ。TECHART製電子マウントアダプター LM-EA9 MarkII、TZM-02、LM-EA7との併用も可能。

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特長

  • New FDマウント、FDマウント、FLマウント、Rマウントの4種に対応
  • 着脱操作の向上のため、マウントアダプター本体の表面にはローレット加工が施されている
  • レンズと一体感のあるデザインで、まるでアダプターを装着していないかのような使用感
  • マウント面は高耐久・高剛性の真鍮パーツを採用し、高精度での取り付けが可能
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仕様

対応レンズマウント キヤノン NewFD、FD、FL、R
対応カメラマウント ライカM
素材 真鍮×アルミニウム合金
サイズ 約Φ62×12mm
質量 約60g

LM-LSL-A

SHOTEN LM-LSL-A は、ライカMマウントレンズをL(ライカ/パナソニック/シグマ)マウントのカメラで使用するためのマウント変換アダプター。Mマウントレンズのクラシカルな外観に合わせ、花紋デザインを採用。装着時の一体感と質感を高めている。

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特長

  • 着脱の操作性を高めるため、本体外周にすべり止めローレット加工を施し、扱いやすさを向上
  • Mマウントレンズの意匠に調和する花紋デザインを採用し、外観の統一感を実現
  • レンズマウント面には高耐久・高剛性の真鍮パーツを採用し、高精度での取り付けが可能
  • アダプター内部は艶消し塗装で、内面反射を大幅に抑制
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仕様

対応レンズマウント ライカM
対応カメラマウント L(ライカ/パナソニック/シグマ)
素材 真鍮×アルミニウム合金
サイズ 約Φ63×8mm
質量 約47g
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SmallRig、ソニー「FX2」用アクセサリーシリーズ発売。フルケージキット、ハーフケージ、ケーブルクランプなど6種類 https://jp.pronews.com/news/202507031520623814.html 623814 Thu, 03 Jul 2025 15:20:32 +0000 technology SmallRig Japan株式会社(以下:SmallRig)は、Sony FX2用アクセサリーシリーズを発表した。ハーフケージからリストストラップ・Vマウントバッテリーマウントプレート付きまで6種類の製品をラインアップする。2025年7月1日(火)からSmallRig公式ストアにて予約販売を開始する。ラインアップと同サイトでの販売価格は以下の通り。

  • Sony FX2用フルケージ:税込15,090円
  • Sony FX2用フルケージキット:税込20,090円
  • Sony FX2用基本ケージキット:税込28,490円
  • Sony FX2用アドバンスケージキット:税込33,490円
  • Sony FX2用ハーフケージ:税込8,390円
  • Sony FX2用ケージ用USB-C & MULTIケーブルクランプ:税込3,390円
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Sony FX2用フルケージ
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Sony FX2用フルケージキット ※フルケージ、XLRハンドル延長リグ、リストストラップとHDMIケーブルクランプが含まれている
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Sony FX2用基本ケージキット ※ケージ、回転式トップハンドル、リストストラップとHDMIケーブルクランプが含まれている
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Sony FX2用アドバンスケージキット ※ケージ、トップハンドル、リストストラップ、HDMIケーブルクランプとVマウントバッテリーマウントプレートが含まれている。
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Sony FX2用ハーフケージ(製品ID:5591)
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Sony FX2用ケージ用USB-C & MULTIケーブルクランプ

製品特徴

フルケージは2点固定システムを採用しており、安定性を向上させる。チルト式電子ビューファインダーの回転、ダイヤル、ボタン、バリアングル液晶モニターやバッテリー室などに干渉することはない。

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また、1/4"-20ネジ穴、ARRI 3/8"-16位置決め穴、QDソケット、コールドシューなど、複数のアクセサリーポートを備えており、豊富な拡張性を提供する。

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XLRハンドル専用延長リグは純正XLRハンドルにぴったりフィットし、長さを延長することでグリップ感を向上させる。さらに、複数のネジ穴を備えており、アクセサリーを取り付けることが可能だ。

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回転式トップハンドルは360°回転可能で、柔軟なグリップ角度を提供するため、ファインダーの使用に干渉することはない。

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Accsoon、Android用「SeeMo 4K HDMI」アダプター発表。最大4K30pのモニタリング、録画、ストリーミング、共有をAndroidユーザーに提供 https://jp.pronews.com/news/202507031357623752.html 623752 Thu, 03 Jul 2025 13:57:30 +0000 technology Accsoonは、Android用「SeeMo 4K HDMI」アダプターを発表した。最大4K30pの高画質ビデオのモニタリング、録画、ストリーミング、共有を簡単かつ効率的に実現するポケットサイズのソリューションをAndroidユーザーに提供するとしている。同製品は、2025年7月より出荷が開始される。

これまで、Accsoon SeeMoシリーズはiOSデバイスのユーザーしか利用できなかったが、Android用SeeMo 4Kバージョンの登場により、低遅延モニタリング、録画、ストリーミングの利点が、幅広いユーザーに提供されることになった。

SeeMoは、映像クリエイター、ジャーナリスト、モバイルフィルムメーカーにとって、非常に先進的で、非常にポータブルでありながら、非常に手頃な価格のAndroidモニターソリューションとして設計されているという。

高解像度のAndroidスマートフォンやタブレットを最先端のモニターに変える

最新世代のAndroid携帯やタブレットには、カメラ専用モニターに匹敵する、あるいはそれを上回る、クリアで明るいディスプレイが搭載されている。無料のAccsoon SeeアプリとAndroid用SeeMo 4K HDMIアダプターを使用することで、それらのディスプレイをカメラ画像のモニタリングや分析に最大限に活用することが可能となる。同アプリは、新しくデザインされたモダンな外観で、波形、ヒストグラム、LUT、フォーカスピーキング、フォールスカラー、ゼブラ、オーディオレベルメーター、ミラーイメージ、イメージオーバーレイ、グリッドライン、アナモフィックデスキーズなど、画面上でタッチ操作できるツール一式を備えている。

LUTSで表示、録画、ストリーミング

さらに、Android用SeeMo 4K HDMIアダプターには、クリエイティブなLUTを適用して表示する機能があり、録画またはストリーミングした映像に直接「書き込む」こともできる。これは特に、カメラ内部でログ映像を撮影する際に便利で、同時にストリームや録画映像に「焼き付け」てすぐにアップロードが可能だという。

信頼性の高いソリューション

Android用SeeMo 4K HDMIアダプターは、信頼性が高く、低遅延、フル機能、高精度のモニタリングおよび録画ソリューションだ。遅延、解像度、接続性の問題に悩まされる可能性のある他のアプリや安価なHDMIドングルに代わる優れた選択肢を提供するという。

外出先で4Kストリーミング

Android用SeeMo 4K HDMIアダプターを使用することで、Android携帯やタブレットをデータおよびIP接続に使用して、4KカメラからYouTubeやその他の一般的なビデオプラットフォームにUHD 4Kビデオをストリーミングできる。また、RTMPやSRTプロトコルを使用することもでき、より高度なユーザーに最適だという。軽量でコンパクトなデザインは、スタジオでも移動中のコンテンツ制作にも理想的で、かさばる機材なしでプロ級の結果を保証するとしている。

シームレスな4K録画と共有

Android用SeeMo 4K HDMIアダプターでは、Androidデバイスのカメラロールに直接4K H.264録画を行うことができるため、ソーシャルメディア、メッセージングアプリ、電子メールを通じて高解像度のコンテンツをこれまで以上に簡単に共有できる。また、プライマリ映像の信頼性の高いバックアップオプションを提供し、時間が重要な場合に迅速な編集を容易にする。映像は、Frame.ioのようなプロフェッショナルなメディア共有サービスにアップロードも可能だ。

オーディオソースの選択

Android用SeeMo 4K HDMIアダプターはビデオの録画やストリーミングに使用するオーディオソースの選択ができる。カメラからの音声を使用するか、内蔵マイクを含むAndroidデバイスに接続された音声ソースを使用するかの選択が可能。

NP-Fバッテリーで駆動

Android用SeeMo 4K HDMIアダプターは、NP-Fタイプのバッテリーを1つ搭載しており、携帯電話やタブレットを同時に充電できる。また、ワイヤレスマイクレシーバーなどの小型デバイスに電力を供給する便利な5V USB出力も備えている。

主な特徴と利点

  • 超高解像度対応:最大UHD 4K30pの解像度で、原始的なビデオ品質を実現
  • 接続デバイスへの電源供給:USB-C PD経由でAndroid携帯やタブレットに電力を供給
  • 強化されたアプリ機能:
    • CineView Master 4KをベースにしたモダンなUIデザイン
    • 柔軟な音声入力:モバイルマイクまたはカメラ音声を選択可能
    • カスタムLUTアプリケーション:クリエイティブなLUTを映像に書き込み、リアルタイムモニタリングやストリーミングが可能
    • シームレスなライブストリーミングのためのRTMP/SRTプロトコルサポート
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未来を魅せる最先端パビリオン体験 大阪・関西万博のパビリオン映像演出 その2 Vol.106 [江口靖二のデジタルサイネージ時評] https://jp.pronews.com/column/202507031121622559.html 622559 Thu, 03 Jul 2025 11:21:17 +0000 technology 大阪・関西万博2025で展開されているさまざまな映像演出は、単なるスクリーンを超え、通信基盤や物理的モーションと組み合わせた未来の体験装置へと進化している。IOWNを使った時空を超えるライブ演出から、ドーム全体で環境問題を感情に訴える没入空間、LEDやLCDを動かすキネティック演出、さらには建築と一体化したサイネージまで、各パビリオンで実現された最新映像テクノロジーと体験の見どころを、前回の続編として解説する。

IOWNが切り開く時空を超えたコミュニケーション

NTT

NTTパビリオンは「PARALLEL TRAVEL」をテーマに掲げ、次世代通信基盤「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」を駆使して時空を超えたコミュニケーション体験を提供する。単なる技術デモに留まらず、通信の歴史や未来を物語として没入できる映像演出により、「情報が人と人を結ぶ生命線であること」を感覚的に理解できる構成になっている。

ZONE1:XR的演出で通信の進化を体感
パビリオン内の巨大スクリーンでは、人類の通信の進化をテーマにした没入型XR映像体験が展開される。手紙、電話、スマホといった歴史的通信手段を象徴するオブジェクトやキャラクターが立体的に出現し、空間全体で時間の流れを表現。3Dモデリングと空間内プロジェクションを組み合わせたXR演出により、シーンがシームレスに変化しながら、通信技術の進化が「旅する物語」として視覚的に提示される。

大型LEDディスプレイとモーションセンサーを連動させ、観客の動きに合わせて視点が変化するインタラクションを実装。これにより、来場者は単なる受動的鑑賞者ではなく、「進化の物語に参加する体験者」となる。

ZONE2:Perfume 3Dライブをリアルタイム伝送するIOWNの先進性
最大の見どころは、NTTの次世代通信基盤「IOWN」を活用して実現するPerfumeの3Dライブ映像のリアルタイム伝送だ。光通信をコアとしたIOWNによって、映像の圧縮ロスを最小化しつつ超高精細3Dデータを超低遅延で伝送可能に。

遠隔地にいるPerfumeのライブパフォーマンスが、来場者の目の前で3D映像として"生で"再現され、音声・映像のズレが限りなくゼロに近い状態で同期される。この演出により、従来のビデオ通話やライブ中継とは次元の異なる「時空を超えたリアルタイム共有体験」を提供し、未来のコミュニケーションの在り方を体感できる。

Perfumeの動きをLiDARセンサーや光学カメラで計測して3D点群データ化し、大阪万博記念公園から夢洲のNTTパビリオンへリアルタイム伝送。夢洲側ではこのデータを基に、視点を自由に変えられる三次元LEDビジョンで立体映像を再現し、Perfumeの3Dパフォーマンスを臨場感たっぷりに体験できるようにした。

さらに、床下に埋め込んだ128個の振動子がパフォーマンス時の足元の振動を再現し、映像と物理的振動を組み合わせた没入感ある演出を提供。高速・大容量・低遅延のIOWN-APNネットワークを活用し、映像も音も振動も同期させ、遠隔でもPerfumeが目の前にいるように感じられる、圧倒的な臨場感はもはやリアルを超えたと言ってもいい未来のエンタメ体験を実現した。

なお実際のライブは4月2日に同じ環境で行われたもので、現在NTT館で体験できるものはこの時のすべてのデータを保存したものを完全再現している。まさに時間と空間を超えた体験である。

本プロジェクトの技術総監修の、NTT人間情報研究所所長の日高浩太氏によると、「一番迷ったのは、偏光メガネを使うかどうかだった」ということだ。メガネによって得られる立体感と、裸眼視聴の自然さのトレードオフだったと言う。ここは、高臨場感ディスプレイ技術の進化が、他の技術の進化にまだまだ追いついていないことを示していると見るべきだろう。XR領域ではHMDも含めて、表示装置が追いついていないのだ。

Perfumeのライブパフォーマンス 映像が二重に見えるのは偏光メガネで体験するため

ZONE3:来場者自身を物語に組み込むインタラクティブ体験
体験のクライマックスでは、あらかじめ来場者の顔写真が収録され、AIを活用して加工・合成されたデータがXR映像内にリアルタイムで反映される。この技術にはIOWNの高速大容量通信と、エッジAIによる即時処理技術が活用され、体験者は待ち時間なく自分自身が映像物語に入り込む感覚を得られる。Perfumeの3Dライブ映像や通信進化を描くXR空間に、自らの姿が合成されることで「自分も未来のコミュニケーションを形作る存在である」と直感的に理解できる。

これらはすべてサイネージの概念を超え、観客が映像と対話し、物語の一部として参加する"対話型サイネージ"を実現している。

元の素材は正体した写真1枚のみ。「声」についてはどう処理しているのかはわからなかった

このようにNTTパビリオン「PARALLEL TRAVEL」は、XR的映像表現とIOWNの先進技術を融合し、通信の進化を「過去から未来まで旅する物語」として体感できる。巨大スクリーンでの没入型演出、リアルタイム3Dライブ伝送、来場者参加型インタラクションを通じ、人と人のつながりの未来を自分自身の体験として深く理解できるパビリオンなのである。

海洋環境問題を感情で理解させる没入型ドーム映像体験

BLUE OCEAN DOME

BLUE OCEAN DOMEは、「海洋と人類の未来」をテーマに掲げ、10mクラスの超高解像度の半球型LEDディスプレイで展開される、球体没入型映像演出が特徴的なパビリオンだ。ドーム構造そのものが映像装置として機能し、観客は自らが海中に潜ったかのような感覚で海洋環境問題を体験的に学ぶことができる。

半球ディスプレイは天井ではなく、垂直方向にやや傾斜がついて設置されている。視界をほぼ覆う形で映像が投影され、上下左右から包み込まれることで、観客は自分が海中に漂っているような錯覚を覚える。ドームならではの視野没入性を最大限に活かし、海の中を自由に漂うような映像体験が展開される。

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半球方のLEDディスプレイは直径が10メートルほどで写真で見るより遥かに大きい

約7分間の上映映像は、リアルなCG表現と抽象的なグラフィックスを織り交ぜながら、海洋プラスチックごみの漂流、海洋生物の苦境、気候変動による海面上昇などを物語として描き出す。視覚的に衝撃を与えるだけでなく、映像の叙述性によって「環境問題は自分に関わることだ」と観客に強く意識させる。

海洋プラスチック問題を指摘する美しくも衝撃的な映像

上映映像の前後には、実際の海洋プラスチックの展示やデジタルインタラクションが用意されており、リアルな証拠物とCG体験が連続して繋がる。これにより「問題を知る」だけではなく「自分の行動を考える」きっかけを来場者自身に与える構成が徹底されている。

LEDと鏡の反射が生む立体錯覚体験

アメリカ

アメリカ館では、あえてちょっとマニアックな部分を紹介しておく。途中の映像コーナーでは、巨大LEDディスプレイと側面に設置された鏡を組み合わせることで、来場者が「違和感よりも立体感」を強く感じる不思議な映像体験が生み出されている。ここでは、この演出の仕組みを現場の観察を元に解説する。

LED映像を鏡に反射して「仮想空間」を拡張
LEDディスプレイの両サイドには鏡状のパネルが配置されており、映像が左右に対称的に反射することでスクリーンの端が視界の奥へと続いていくように錯覚する。これにより物理的には存在しない部分まで映像空間が広がり、映像世界が実際以上に大きく、奥行きがあるように感じられる。

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LEDディスプレイは上部がやや奥に傾斜。左右の壁面には鏡になっており、上部がやや幅が広い。表示されるコンテンツ次第ではあるが、左右の映り込みは気になることはなく、現場で見ると不思議な立体感を感じる

動きのある映像が違和感を打ち消す
映し出されるコンテンツは絶えず動き続ける映像だ。人間の視覚は動体を優先して追跡する特性があり、動く映像は鏡に反射しても境界が意識されにくい。むしろ脳は連続する動きとして映像全体を統合的に処理し、鏡で生じるズレや反転への違和感が減り、自然な立体感を感じさせる。

環境光と鏡の配置が没入感を高める
会場内の照明は暗めに抑えられており、LEDスクリーンの映像と鏡に映った虚像の明るさがかなり均一に見える。この光環境によって、来場者は実像と反射像を違和感なく同一空間として認識し、映像世界が左右にも果てしなく続くように没入感が増す。

また、鏡面にわずかな角度をつけて設置していることで、反射方向が変わり、より立体的に感じられている可能性もある。

鏡を積極活用した「拡張映像空間」の巧妙さ
アメリカ館のLEDスクリーンと鏡を組み合わせた映像演出は、映像空間を物理的制約以上に拡張し、没入感を高める巧妙な試みだ。来場者は違和感を超えて、反射を利用した奥行きのある仮想空間を体感し、パビリオンテーマである、Imagine What's Next(次を想像しよう)に相応しい未来的な映像体験を味わえる。鏡を用いたこの手法は応用が効くと思うので、関係される方々は是非現場で体験していただきたい。

K-POPとドラマで描く未来へのメロディー

韓国

韓国館の正面にある巨大なLEDディスプレーは、おそらく万博会場内で最大である。ひたすら大きくひたすら明るく高画質だ。裏側に行くとLGのロゴが見える。

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おそらく会場内で最も大きなディスプレイ
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しっかりLGロゴ

韓国館の映像的な見どころは最後の空間である。感動的なストーリー映像とK-POP音楽に出会える。没入型の3面スクリーンシアターで繰り広げられるのは、2040年を生きる女子高生スヨンが主人公のショートストーリーだ。未来のスヨンは、2025年の関西万博に祖父と一緒に訪れた思い出を胸に、祖父が残した未完成の楽曲を未来技術を駆使して完成させようとする。そこには「家族」や「愛」、そして「世代を超えた絆」という不変のテーマが込められている。

音楽を通じて、今を生きる世代から未来へ、大切な価値をつなぐことを伝えようとしている。K-POPや韓国ドラマの演出はもちろん、韓国らしさ溢れるコンテンツで「韓国館らしさ」を存分に感じられる空間だ。映像内ではK-POPダンスを含むパフォーマンスや、韓国のカルチャーが盛り込まれ、過去と未来が一つの空間に共存しているかのような演出である。

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映像はプロジェクター

映像と完全にシンクロする自動演奏ピアノの音楽には、作曲家イ・ジスが実際に演奏した繊細なタッチが反映され、映像体験にさらなる感動を与えている。さらに、韓国館公式YouTubeでは劇中曲「CONNECTION」(グループ名 iWiSH)が配信されており、体験後も音楽とストーリーの余韻を楽しめる。

白大理石都市を想起させる建築とLEDディスプレイの融合

トルクメニスタン

トルクメニスタン館は、首都アシガバットを象徴する「白大理石都市」のイメージを反映し、白とゴールドを基調とした荘厳な外観で来場者を迎える。建物自体の存在感に加え、正面中央に設置された大型LEDディスプレイが外観演出の中核を担い、動きと光で建物全体を引き立てているのが大きな特徴だ。

白い壁面に溶け込むように配置されたLEDディスプレイには、トルクメニスタンの美しい自然風景や伝統模様、国旗モチーフなどが次々と投影される。伝統的な建築意匠とデジタル映像が見事に融合し、クラシカルで荘厳なデザインに動的な魅力を加えている。

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クリーム色と赤い部分がLED

夜になるとLEDの映像はさらに存在感を増し、白大理石を想わせる建物外観をライトアップのように彩り、昼間とは異なる幻想的な姿を演出。映像が静的な建築に生命を吹き込み、来場者の視線を自然と引き寄せることで、万博会場内でもひときわ目立つランドマーク的存在となっている。

LEDディスプレイを正面に大胆に組み込むことで、トルクメニスタン館は国家の誇りを体現する荘厳さと、現代性を象徴するデジタル演出を両立。文化的デザインと先端技術を融合させた、印象的な外観体験を提供している。

航海と詩の国が描く「海と未来」の体感空間

ポルトガル

ポルトガル館は、大航海時代に世界とつながった歴史をテーマに、「海から始まる未来」を体感できる展示を展開。白い帆をモチーフにした曲面デザインの外観は、航海を思わせる開放感のある佇まいで来場者を迎える。

館内ではポルトガルの詩や音楽、伝統装飾タイル・アズレージョをデジタルアートとして取り入れ、大型スクリーンやLEDディスプレイで海洋、環境、共生を詩的に表現。来場者を「海を通じた未来の対話」へと誘う。

館内中央にはパノラマ型の没入映像空間を設置。帆のように曲面化したスクリーンにプロジェクターで高精細CGで海を描き、来場者を「大海原を航海する」感覚に包み込む。このコンテンツがややメッセージ性が強いものの、海洋保護やサステナビリティを詩的なビジュアルで物語り、自然と人間が共存する未来を想像させる映像体験が用意されている。映像コンテンツとして非常によくできている。

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非常に感動的なプロジェクターによる映像

「動くLED」のダイナミック演出

パソナ

パソナ館で注目されているのが、LEDを物理的に動かすことで命の成長や自然のダイナミズムを表現する「動くLED」の映像演出だ。

一般的な固定式LEDスクリーンとは異なり、パソナ館ではモーター制御を使ってLEDユニットを天井や壁面のレール上で自由に移動させている。LEDモジュールは上下左右にスムーズに動きながら、映像コンテンツ自体も刻々と変化し、まるで生き物のような動きを再現。映像と物理運動が融合した独自の演出により、未来の食や農が持つ可能性を観客に強く印象づけている。

動かす仕組みもだが、コンテンツを事前にシミュレーションする、何らかの方法(ソフトウエア)が必要だろう

この「動くLED」はキネティックLEDとも呼ばれ、映像・音響・モーション制御をリアルタイムで同期させた高度な演出システムで構築されている。LEDモジュールは独立してモーターに接続され、動作タイミングを緻密に制御することで、LED全体がダイナミックに動く。視覚的なインパクトだけでなく、自然の生命感や持続可能性を物理的な演出で体験させる工夫が詰め込まれている。

小さなLCDでもキネティックに

UAE(アラブ首長国連邦)

あくまでもビジュアル的に、UAEで紹介しておきたいのは32インチくらいのLDCディスプレイを24面並べて、それぞれが独立して動くキネティックなサイネージである。動画を撮影しなかったのだが、黒背景に白文字だけという潔さもあって、実際にはかなりインパクトがあった。

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ゆるゆる動いて意外に目立つ

地味だけど注目を集める調光ガラス

バルト(エストニア・ラトビア・リトアニア)

バルト館の壁面にあったのがこの調光ガラス(スマートガラス)である。電源がオンになると透明になるので奥に書かれている文字が見えるが、電源がオフになると白濁状態になり、何も見えなくなる。たったそれだけのことなのだが、LCDやLEDに慣れてしまった目で見ると、意外にも新鮮に感じるから不思議である。使い方次第ではないかと改めて感じた。

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外壁のモザイク状の部分
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何も見えないが
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突然見える

宇宙を体感するLEDカーブビジョンの没入映像体験

JAXA

JAXA館(宇宙航空研究開発機構)は、「月に立つ。その先へ、」をテーマに、人類の宇宙探査の未来を臨場感たっぷりに体験できる展示を展開している。特に注目なのが、JAXA Experience Theater「The MOON」に設置された超高精細LEDカーブビジョンだ。

館内に設置されたのは、高さ3メートル、幅10メートルという大迫力のLEDカーブビジョン。0.9mmピッチの超高精細フレキシブルLEDモジュールを用いることで、月面や宇宙空間の映像を緻密かつ立体的に映し出す。視界を包み込むように緩やかにカーブしたスクリーンが、観客をまるで月面に降り立ったかのような没入感に引き込み、リアルな「月面体験」を可能にしている。

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JAXA館は西ゲートのさらに西側、フューチャーゾーンにある
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残念ながら撮影禁止
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Blackmagic Design導入事例:陕西人文探索映画文化伝承有限公司のドキュメンタリーの場合 https://jp.pronews.com/news/202507031001623293.html 623293 Thu, 03 Jul 2025 10:01:45 +0000 technology Blackmagic Designによると、陕西人文探索映画文化伝承有限公司が制作したドキュメンタリーでBlackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラが使用されたという。

青海省のチベット高原の身を切るような風の中、チベットカモシカが跳躍する。その張り詰めた筋肉は優雅な弧を描き、ひずめは雪をかすめて飛び、時が止まったかのように太陽の光にきらめく雪片を舞い上げる。秦嶺山脈の森の奥深くでは、トキが飛び立つ。その翼の動きを約10倍のスローモーションで撮影し、羽の一枚一枚の繊細な震えまで捉えた。

これらの息を呑むようなシーンは、陕西人文探索映画文化伝承有限公司が制作したドキュメンタリーで、中国の国営放送局の旗艦チャンネルであるCCTV-1で現在放送されている。

陝西人文探索のゼネラルマネージャーであるチェン・シュー氏は次のように語る。

チェン氏:クリエイターにとって、自然ドキュメンタリーの制作では技術と芸術の両方のスキルが求められますが、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは、その両方において最も信頼できるツールです。

Blackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラは、高原の寒さ、熱帯の湿気や豪雨といった過酷な条件にも耐え抜き、陕西人文探索のチームは「三江源の魅力」、「野生の故郷」、「世界でも珍しいトキ」、「秦嶺の猿の王」、「竹林の隠者」、「銭江源水路の秘境」、「董寨:中国中部の秘境」、「烏梁素海:渡り鳥の楽園」、「長島:黄海と渤海の動物王国」など、12本以上のCCTVドキュメンタリーの制作に成功した。

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自然のはかない美しさを高速でキャプチャー

野生動物は一瞬のうちに動くが、この動きを捉えることがドキュメンタリーの成功を左右することがある。

チェン氏:例えば、国の第一級天然記念物であるオナガキジを撮影する際、オスは求愛中にその見事な尾羽を高周波で振動させることがあります。Blackmagic URSA Mini Pro 12KKを4K 240fpsモードで使用し、2匹のオスが同時に尾を振ってメスに求愛する様子を撮影したのですが、肉眼では捉えられない複雑な尾扇のディテールをスローモーションで捉えることができました。これらの映像は、研究者たちがこのユニークな中国の鳥をより深く理解するのにも役立ちました。

野外では身軽に移動したいので、多様な撮影ニーズを満たす多用途で柔軟な機材が必要になります。

Blackmagic URSA Mini Pro 12Kのセンサーは 12K、8K、4Kをサポートしており、センサー内スケーリングは解像度を切り替える際にフルセンサーフレームを維持できるので、構成の一貫性が保たれます。また、フレームレートを大幅に向上させるウィンドウモードにも対応しています。高フレームレートと低フレームレートの切り替えはシームレスなので、重要な瞬間を逃すことはありません。これは、野生動物のクローズアップを撮影する際に特に役立ちます。動物を驚かせないように、望遠レンズを使って遠くから撮影することがよくあります。

以前、青海省のチベット高原でクチジロジカの求愛バトルを撮影したのですが、その時彼らは通天河の砂州のずっと向こうにいました。800mmレンズだけでは不十分だったため、4Kウィンドウモードを使用することで実質的に3.3倍のクロップを追加し、1.4倍のテレコンバーターと組み合わせて、必要な標準ショット、タイムラプス ショット、スローモーションショットをすべて撮影できました。

また高解像度により、驚異的な視覚体験も実現できたという。

チェン氏:12Kと8Kの映像は、鳥の羽の細かな質感や昆虫の羽の半透明の質感など、複雑なディテールを捉え、ドキュメンタリーの視覚的なインパクトと没入感を大幅に高めてくれます。

高解像度により、ロスレスのクロップやズームが可能になり、ポストプロダクションの柔軟性が向上します。

野外撮影用の設計

野生動物のドキュメンタリー撮影では、過酷な環境に直面することがある。

チェン氏:-30°の高原でも、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは問題なく動作しましたし、40度の高温の中でも、オーバーヒートで使用できなくなることはありませんでした。

このカメラの耐久性もまた非常に印象的だという。

チェン氏:大雨の中での撮影中に、カメラのタイプCポートに水が入り込み、SSDへのデータ書き込みができなくなってしまったことがあったのですが、ティッシュ拭き取って風通しを良くしたところ、正常に動作するようになりました。青海省のチベット高原ではカメラが雪に覆われるのは日常茶飯事です。しかしBlackmagic URSA Mini Pro 12Kは山岳地帯、森林地帯、沿岸部で抜群の性能を発揮し、信頼できるパートナーであることを証明しました。

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BLACKMAGIC DESIGNと共に進化

陕西人文探索はドキュメンタリーを制作しているだけでなく、映像テクノロジーの先駆者でもある。陝西省で最初にDaVinci Resolve を標準ワークフローに導入し、その後様々なBlackmagicカメラを採用した企業の1つとして、同社のチームはBlackmagic Design製品に関する深い専門知識を持っているという。

チェン氏:Blackmagic Designはプロ仕様のツールを民主化し、BBCやナショナルジオグラフィックといった大手の組織以外でも利用できるようにすることで、私たちのようなチームに力を与えています。

Blackmagic URSA Mini Pro 12Kのオープンデザインにより、クリエイティブな柔軟性が向上します。また、レンズマウントが交換可能なので、PLからEFに切り替えることができ、明るい条件ではSigma 300-800mmなどの既存のレンズ、暗い場所ではCanon 200-400mm f/4.0など、手持ちのレンズを活用できます。アダプターを使用すると、ビンテージのZeiss、Leica、Nikonのレンズも使用でき、これらのレンズに新たな命を吹き込むことができます。

Blackmagic RAWはまるでカットされていないダイヤモンドのようで、ポストプロダクションの柔軟性に非常に優れています。RAWフォーマットでありながら、ファイルサイズは一般的なフォーマットよりも小容量で、DaVinci Resolveでスムーズに扱えます。

最近、同チームはBlackmagic URSA Cine 12K LF Bodyを購入したという。

チェン氏:ラージフォーマットのハイエンド・シネマカメラであるBlackmagic URSA Cine 12Kは、ダイナミックレンジ、光感度、フレームレートが大幅に向上しています。発表時からこのカメラを追いかけていました。筐体のみのモデルは、撮影監督に多くのオプションを提供してくれます。そして私たちのような長年のBlackmagicユーザーは、手頃な価格で、既存のアクセサリを使用して完全なシステムを構築できます。

ドキュメンタリーを通して生命に捧げる賛辞

雪に覆われた高原から湿地の平原まで、そして鳥から獣まで、陕西人文探索のショットは、視聴者に向けて鮮やかな生態の世界を描き出す。12Kカメラを選択した理由を聞かれて、チェン氏はこう答えた。

チェン氏:人間の目で見える以上の方法で、中国の生態学の詳細を保存することを目的としているからです。各フレームが生命への賛辞であり、未来のための生態学的アーカイブなのです。

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キヤノン MJ、「GRAPHGATE」第2回グランプリ・優秀賞の企画展を開催。品川、銀座、大阪で5人の個展 https://jp.pronews.com/news/202507030916623240.html 623240 Thu, 03 Jul 2025 09:16:01 +0000 technology キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下:キヤノン MJ)は、写真・映像作家 発掘オーディション「GRAPHGATE」の第2回グランプリ受賞者1名と優秀賞の受賞者4名の計5名による個展「GRAPHGATE企画展」をキヤノンギャラリー3カ所にて、2025年8月19日(火)より順次開催する。

キヤノンMJは、熱意ある新しい才能を見いだし応援するための新たな枠組みとして、2023年より、写真・映像作家発掘オーディション「GRAPHGATE」を開始した。2024年に開催した第2回では、グランプリ1名、優秀賞4名を選出し、5名には副賞の一つとして個展開催の機会を提供した。

キヤノンギャラリー S(東京・品川)では、グランプリを受賞した山口えり花氏の作品展を、キヤノンギャラリー銀座・大阪では優秀賞を受賞した長谷川尚子氏、篠田岬輝氏、遠藤励氏、玉昇沅氏の個展を開催する。

5名は、第2回GRAPHGATE終了後、さらにテーマを追及して新たな作品制作に取り組み、発表に向けて準備しているという。同企画展は、5名の受賞者がGRAPHGATEで語ってきた、これまで何を思いどのような創作活動を行ってきたのか、これから何を目的に何を表現していきたいか、その想いを表現する一つの通過点となるとしている。

キヤノンMJは選出された作家の活動を継続的に支援していくとともに、「GRAPHGATE」を通じて写真・映像文化の発展に貢献していく方針だ。

会期・会場

作家 会期
キヤノンギャラリー S キヤノンギャラリー銀座 キヤノンギャラリー大阪
グランプリ 山口えり花 11月14日(金)
~12月16日(火)
- -
優秀賞 長谷川尚子 - 8月19日(火)
~8月23日(土)
9月30日(火)
~10月4日(土)
篠田岬輝 - 8月26日(火)
~8月30日(土)
10月7日(火)
~10月11日(土)
遠藤励 - 9月30日(火)
~10月4日(土)
11月11日(火)
~11月15日(火)
玉昇沅 - 10月7日(火)
~10月11日(土)
11月18日(火)
~11月22日(火)

各ギャラリーの概要

キヤノンギャラリー S (品川) キヤノンギャラリー銀座 キヤノンギャラリー大阪
開館時間 10:00~17:30 10:30~18:30 10:00~18:00
休館日 日曜日・祝日 日曜日・月曜日・祝日 日曜日・月曜日・祝日
住所・アクセス 東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F
JR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
東京都中央区銀座3-9-7
都営地下鉄東銀座駅より徒歩2分、東京メトロ銀座駅より徒歩3分
大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト1
地下鉄肥後橋駅・渡辺橋駅直結、淀屋橋駅より徒歩5分、JR北新地駅より 徒歩8分、
JR大阪駅より徒歩11分
入場料 無料 無料 無料

各企画展作家情報

山口えり花 | Erika Yamaguchi】

  • 会期:11月14日(金)~12月16日(火)(キヤノンギャラリー S)
  • タイトル:「狂喜的ラブリー」
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現実世界の皆さーん。
楽しいか、現実は?
ワクワクするか、歳をとるのは?
興奮するか、義務や責任を果たすのは?
正義は必ず勝つか?
夢を抱いてしまっても笑えるか?
…楽しいよ、現実は。
怖いことばかりだけど、
愛しいよ、人生は。
狂おしくも喜ばしい、
人生という歪んだ喜劇へ
お越しあれ♡♡♡

山口えり花

映像監督。CMやMVを中心に活動。
GRAPHGATEグランプリ以外にも、Young Cannes Lions日本選シルバー、JAC AWARDメダリスト、BOVAなど受賞多数。
オーストラリア出身。自称年齢不詳だが、そこそこ若め。元電通クリエーティブキューブ、現在Village inc.に所属。
可愛くカラフルな世界観や、ひと癖ある作品を得意とする。映像やライブの振付師としても活動中。
Instagram:@erika_yamaguchi_/X:@236_erikaa

長谷川尚子 | Naoko Hasegawa

  • 会期:8月19日(火)~8月23日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、9月30日(火)~10月4日(土)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「UNCERTAINTY / ゆらぎのあわいに」
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舞台や映画を通して「空間も時間も存在しない」という理論に出会い、今までそれらを絶対的なものとして認識してきた自分の脳が信じられなくなった。物理学者カルロ・ロヴェッリは、存在するのは空間や時間ではなく「出来事」と「関係性」だけであると論じているが、未熟な自分の頭ではどうしても理解しきれない。目の前の花も私自身も、生命現象としての流れがあり、この世界の空間と時間の流れの中で確かに生きていると、私は私の脳によって認識し、見せられている。
静止画でも動画でもなく、各写真の関係性を主題とした映像手法「写真映像」により、人間の目で見ることのできない世界に思いを馳せ、静かに見つめた。
第2回GRAPHGATE応募作品「UNCERTAINTY」に加え、祖母・母・私自身を写した新作「ゆらぎのあわいに」の対となる両作品を大スクリーンで上映する。

長谷川尚子

1988年 新潟県新発田市生まれ。宮城大学事業構想学部デザイン情報学科卒業。現在130年以上続く吉原写真館に所属。
祖父の二眼レフカメラを愛用しながら写真作品の発表をする他、2024年 福島麗秋 + 福島諭「Inter-Others」LPレコードのティザー映像の制作をきっかけに、写真のみを素材とした「写真映像」の表現を始める。
2024年 キヤノンGRAPHGATE 優秀賞受賞。
Instagram:@naoko.photograph

篠田岬輝 | Koki Shinoda

  • 会期:8月26日(火)~8月30日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、10月7日(火)~10月11日(土)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「Portraits of 3/4 ounce」
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自然と向き合って撮影していると、動物も人と同様に、個性と意志を持った"存在"であるということに気づく。

そこで私は、彼らの肖像写真を撮影した。彼らの命と魂が、たしかにそこにあった証明として。

被写体の大半は、すでに亡くなっているだろう。これは、いわば彼らの遺影だ。

作品にするにあたって、私は彼らの"存在"を、もう一度体感したいと思った。

人は死ぬと3/4オンス(21グラム)軽くなるという実験結果がある。すなわち、それが人間の魂の重さであると。動物もきっと同じだろう。

私は、3/4オンス(21グラム)の重さに彼らの肖像写真を印刷することで、彼らの魂を実体化し、もう一度感じられるのではないかと考えた。そして、それは単なるイメージを超えた"存在"になるのではないか、と。

3/4オンス(21グラム)の肖像と相対したとき、私はそれが儚く軽いと感じるか、重みを感じるか。

そして、あなたは何を感じるか。

篠田岬輝

1990年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、米国会計系コンサルティング会社に就職。
アフリカで目の当たりにした自然の雄大さに魅せられ、写真家の道を目指して独立。
2019年、数年にわたって1つのライオンの家族を追いかけて撮影した作品をまとめた初個展「Pride of Lions ライオン家族」を開催。
現在もアフリカ、アジア、北極圏・南極圏など、世界各地で自然の美しさと向き合いながら、撮影を行っている。
国際写真賞 The Prix de la Photographie, Parisで金賞を受賞。2024年、第2回CANON GRAPHGATE優秀賞。
HP:https://kokis.jp/
Instagram:@kokishnd/X:@kokishnd

遠藤励 | Tsutomu Endo

  • 会期:9月30日(火)~10月4日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、11月11日(火)~11月15日(火)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「SHAKE-UP THE OLD FUTURE スノーボードフォトグラフィーの進行形・集団的共有の跡に残るもの」
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現在では北極圏への遠征を重ね、原始的な民族との交流を続けている私の原点はスノーボードコミュニティにある。そして、今でも厳冬期の雪山に仲間と分け入る感動はなにものにも変えがたい。これはスノーボードフォトグラフィーの文脈における実験的な試みだ。スポーツ写真と一線を画すスノーボード界特有の写真表現において、その集団的創造と前進の片隅に忘れ去られた過去の撮影フィルムを作品として再構築する。1990年代からシーンに携わり、マーケットのバブルや潮流を目の当たりにしてきた私の創作は、自身の撮影だけに固執せず、倒産したスノーボードメディアの倉庫で廃棄処分を待っていた90年代から2000年代初頭の膨大な撮影フィルムから制作する。自ら救済と10年以上の保管を行なったそのフィルム群は、スノーボード成長期の記録であり、創作は時代の移り変わりの中で価値観が変化し続ける「写真」との対話である。本作品展では過去を再構築し、未来の起源を探る。

遠藤励

長野県大町市生まれ・在住。
スノーボードの黎明期を目撃し、90年代後期から身近な存在だったスノーボーダーを撮り始め活動開始。現在まで国内および北米・欧州のボードカルチャーの専門誌やメディアに作品を提供。また、雪にまつわる作品表現にも傾倒し、「snow meditation」や「水の記憶」など雪や氷河の作品シリーズを発表。2018年より北極圏への遠征を重ね、そこに暮らす先住民の生活を追体験しながら、原始的民俗の変遷を記録し、現地で急速に進行する自然資源開発や気候変動が及ぼす影響を考えながら作品化に取り組んでいる。2024年日本写真協会新人賞、第7回笹本恒子写真賞受賞。
HP:http://www.tsutomuendo.com/
Instagram:@inner_focus_photography / @polarexposure2025

玉昇沅 | Sung Won Ok

  • 会期:10月7日(火)~10月11日(土)(キヤノンギャラリー銀座)、11月8日(火)~11月22日(火)(キヤノンギャラリー大阪)
  • タイトル:「LIFE TODAY (非)日常の日々―。」
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「日常」とは何か。そして「非日常」とは何か。
私たちは、その境界をどこに引いているのだろうか。
同じ道を歩いても、光の角度が変われば景色は変わり、
同じ街の喧騒も、心の在り方一つで違った響きを持つ。
ありふれた日々の一部に潜む特別な非日常。
それもまた、私たちの「日々」の一部なのだ。
滲む光、窓に映る空、振り返った街角の静けさ。
それらは、誰の記憶にも残らずに過ぎていく風景かもしれない。
けれど、その"何でもない"ものの中にある"何か"を留めたくて、
私はシャッターを切っている。
こうした"何でもない"と思える風景に、
私はふと立ち止まりたくなる瞬間がある。
それは日常に紛れ込んだ非日常かもしれないし、
非日常に見える、誰かの日常かもしれない。
曖昧な輪郭を持つ時間こそが、私が見つめてきた「(非)日常の日々」だ。
誰かにとっては通り過ぎるだけの日常でも、
私にとっては"今日だけの非日常"として立ち上がる。
それを私は「LIFE TODAY」と呼びたいのだ。

玉昇沅

韓国生まれ。日本とカナダで育ち、現在は東京を拠点に活動している。
大学入学を機に写真を撮りはじめ、留学をきっかけに本格的に作品制作を開始。
母国でない国で育った自身のルーツから、常に「どこにも属していない」という感覚を抱えてきた。その「宙ぶらりんな感覚」を軸に、日常のなかに潜む一瞬の孤独を写し取ることを試みている。
Instagram:@okx_sungwon

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Bose Professional、同軸ポイントソーススピーカー「Forum」シリーズを発売。コンパクトかつ高出力、高音質 https://jp.pronews.com/news/202507030819623311.html 623311 Thu, 03 Jul 2025 08:19:54 +0000 technology Bose Professionalは、コンパクトかつ高出力な同軸ポイントソーススピーカー「Forum」シリーズを発売した。

Bose Professionalは、新しい ForumMultipurpose Loudspeakerシリーズを日本で発売した。Forumシリーズは、コンパクトで簡単に設置できるデザインながら、驚くほどの高出力と優れた高音質を実現し、同レベルの他のスピーカーとは比較にならない性能を発揮する。

同シリーズは、8インチ(約20cm)と12インチ(約30cm)の2種類のフルレンジスピーカー「FC108」および「FC112」で構成され、どちらも同軸2ウェイ方式を採用している。中規模から大規模の空間向けに設計されており、多目的ホール、イベント会場、劇場、店舗、宴会場などの常設用途で高出力かつ均一でクリアなサウンドを提供する。

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FC108

FC108とFC112はともに、独自のBose Beamwidth Matching Waveguideを採用し、他のポイントソースのスピーカーデザインと比べて大きな利点を実現している。このウェーブガイドにより、カバレージエリア全体で一貫した周波数特性、明瞭さ、音像を実現し、定評あるボーズサウンドクオリティを再現する。グリルのすぐ後方に配置されたウェーブガイドが、独自の通気パターンにより低域の放射をコントロールすることで、クロスオーバー帯域における低域と高域の指向角を調整する。

その結果、ワイドな帯域と均一なサウンドカバレージを実現する。さらにチューニング済みのパッシブクロスオーバーを搭載し、追加の信号処理は不要で迅速かつ簡単に設置できるように設計されている。

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ForumシリーズはIP43に準拠しており、屋内および条件に合った屋外環境で長期の耐久性を実現する。エンクロージャーの上部、底部、側面にある設置ポイントは、ドライバーと一体化したフレームに接続されており、吊り下げた際にもキャビネット全体が安定する。

空間に合わせてキャビネットの向きを変更することができ、ロゴの向きも調整して外観の一貫性を保つことができる。設置オプションには、Uブラケット、サスペンションレール、三脚スタンド取り付け用ポールアダプタ、そしてアイボルトによる吊り下げが用意されている。

Bose Professional CEOのジョン・マイヤー氏は次のようにコメントしている。

マイヤー氏:私たちが50年にわたり業界と築いてきた関係の最大のメリットの1つは、顧客が現場で直面している課題を独自に把握できることです。 Forumは、私たちがサービスを提供するデザイナー、施工業者、インストーラーが求めるパワー、コンパクトなサイズ、卓越した忠実度、カバレージ、コントロール、設置のしやすさをすべて満たしています。 このような協働的な設計と先見的な目的意識こそが、新しいBose Professionalの精神を体現しています。そして、価値あるパートナーからの意見を参考にした私たちの製品開発ロードマップに今後もご期待ください。

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Forum FC108フルレンジ同軸ポイントソーススピーカー

パッシブの同軸2ウェイ方式を採用し、1.7インチ(約4.3cm)コンプレッションドライバーと8インチ(約20cm)ウーファーを搭載する。小規模中規模エリア向けに設計されており、53Hz~20kHzの周波数特性、122dBの最大音圧、110°×60°の均一なカバレージを実現しながらも、重量はわずか12.7kgとコンパクトなボディだ。

Forum FC112フルレンジ同軸ポイントソーススピーカー

12インチ(約30cm)のフルレンジ同軸ポイントソーススピーカーで、コンパクトで簡単に設置できる筐体ながら、驚きの出力と優れた高音質を実現する。48Hz~20kHzの周波数特性、132dBの最大音圧レベル、110°×60°の均一なカバレージで、中規模から大規模の空間を一貫したサウンドで満たすと同時に、インパクトのある音響が求められるゾーンを正確にカバーする。

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ズーム、Instamic社を完全子会社化。高性能マイク技術をラインアップに、ワイヤレスオーディオ録音市場に本格進出 https://jp.pronews.com/news/202507021902623178.html 623178 Wed, 02 Jul 2025 19:02:31 +0000 technology 株式会社ズームは、2025年7月1日付で、Instamic, Inc(米国)およびInstamic AB(スウェーデン)(以下、両社併せて「Instamic社」)の全株式を取得し、完全子会社とした。

株式取得の概要と目的

Instamic社は、米国カリフォルニア州で創業されたスタートアップ企業で、現在は米国とスウェーデンに拠点を構えている。「ビデオクリエイターが、可能な限り小型かつ高性能なワイヤレスマイクで人生の質感をとらえる」というビジョンのもと、同社は超小型・防水設計で衣服に容易に装着可能なユニットに、32ビットフロート録音機能を搭載した高品質なワイヤレスマイクを開発・販売している。

携帯性、音質、直感的なアプリ操作が高く評価されており、アクションスポーツや結婚式、映画制作現場など過酷な録音環境においても理想的なソリューションを提供している。

ズームは、2024年12月にInstamic社の買収に向けたMOU(基本合意書)を締結し、その後、諸条件の協議および買収手続きを進めてきた。そして今回、2025年7月1日付でInstamic社の全株式の取得を完了した。

本件を通じて、ズームはInstamic社の先進的な技術と知見を取り入れ、既存製品との相乗効果を活かしながら、製品ラインアップの拡充および市場競争力のさらなる向上を図っていくとしている。

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ズームの代表取締役CEOである工藤俊介氏は、次のようにコメントしている。

工藤氏:私たちは、カリフォルニアを拠点とする小さなスタートアップとして、市場で最も魅力的なワイヤレスマイクの一つを創造したInstamicの軌跡を追ってきました。現在の競争の激しい市場において、Instamicは、伝統的な送信機・受信機モデルから脱却し、機能豊富なマイクとして際立った存在となっています。

Instamic創業者でCEOのミケーレ・バッジオ氏は次のようにコメントしている。

バッジオ氏:Instamicの最初のプロトタイプを開発するために、私は1年間の貯蓄、汗、そしてリスクを注ぎ込みました。素晴らしいものが形になりつつあると感じる一方で、一人では成し遂げられないことも理解していました。ZOOMとの提携により、Instamicの開発は加速し、堅固な販売網とサプライチェーンへのアクセスが可能となることで、私たちは次なる成長の扉を開くことができるのです。

また、ズーム取締役ファウンダーの飯島雅宏氏は次のようにコメントしている。

飯島氏:InstamicをZOOMファミリーに迎えることは、急成長を遂げるワイヤレスオーディオ録音市場への本格的な進出に向けた、極めて戦略的かつ意義深い一歩です。

今後の見通し

Instamic製品は2025年秋より北米市場での販売を開始し、2026年からは全世界への展開を予定している。2025年12月期におけるズームへの業績への影響は軽微だとするが、将来的な競争力強化につながる取り組みと認識しており、今後開示すべき重要な事項が生じた場合には、速やかに公表するとしている。

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