Blackmagic Designの発表によると、ドキュメンタリー映画「VANISHING POINT」のアップコンバートおよびフレームレート変換に、Teranex 2D Processorが使用されているという。

映画「VANISHING POINT」は、2000年に解散したロックバンド、BLANKEY JET CITYのラストツアーに密着したドキュメンタリー。写真家・映像作家として活躍し、当時BLANKEY JET CITYのミュージックビデオなども長年手がけていた翁長裕氏が監督を務め、単身ビデオカメラを担いで、2000年に行なわれたラストツアーの全日程に同行した。全国12箇所、17公演をまわるこのツアーに同行した翁長氏は、50時間以上ものフッテージを撮影したが、諸事情により撮影された映像は作品化されないままであったが、13年の年月を経てドキュメンタリー作品として2013年の1月に劇場公開されることとなった。

Blankey Jet City 映画「VANISHING POINT」予告編(劇場版)

もともとSDで撮影されたものをHDで劇場公開するために、神奈川にあるE-Head Productionで変換業務が行なわれた。オリジナルのフッテージは60i/SDで撮影されており、それを24p/HDに変換する必要があった。E-Head Productionでは、1月26日の公開日に間に合わせるため、迅速な作業が求められており、その際にE-Head Productionで所有しているBlackmagic DesignのTeranex 2D Processorが活用されたという。江頭氏によると、Teranex 2Dを購入した直後に翁長監督から「VANISHING POINTの映像をHD化したい」という話があり、Teranexを使うことを勧めたところ実際に満足のいく結果が得られたという。

また、翁長監督は「実際に変換後の映像を見て、本当に驚きました。フレームレート変換したことで、ビデオの生っぽさが軽減されて、より映画っぽい映像になりました。また、SDのときは不鮮明だったステージを見つめるファンの顔もよりクリアになって、臨場感が増しました。過去の映像がこのような高画質で公開できることで、13年前に僕が体験した臨場感をもう一度、画面の中で飛び跳ねているファンと劇場で追体験できるのがなにより嬉しいです」とのコメントを寄せている。

130122_vanishingpoint02.jpg

翁長監督(写真左)とE-Head Production 江頭氏(写真右)