ATOMOSブース360°全天球動画

RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google ChromeブラウザおよびiOS/Android版YouTubeアプリが必要です。(アプリ起動はこちら)

毎年NABに新製品を投入するATOMOSは、「SUMO」というネーミングのレコーダーを新製品として出展した。SUMOは19型の大型モニターを搭載したレコーダーで、「SHOGUN INFERNO」の基本性能を踏襲しており、4K/60p映像のApple ProRes/Avid DNx収録に対応。19型と画面が大型なので、現場でのピントの確認や収録クリップのプレビュー確認などが容易に行える。パネルは1200nitの1920×1080ドット高輝度HDR対応パネルを採用しているほか、X-Riteのi1 Display Proによるカラーキャリブレーションにも対応する。

撮影ベースに設置されたSUMO。パネルはフルHD解像度だが、4K映像の正確なフォーカスの確認を行なうことができるように拡大表示機能を搭載しているほか、X-Rite i1 Display Proによるカラーキャリブレーションにも対応

SHOGUN INFERNOは、各社カメラからのLogガンマ映像を入力時に、リアルタイムにPQ/HLGへ変換出力する機能を搭載しているのが特長だ。これは画面の小さなSHOGUN INFERNOに外部モニターを接続して、ピントの確認やプレビューなどを行うのに都合の良い機能である。SUMOはそうした現場の必要性に答えた製品といえよう。

こうした大型モニターにレコーダー機能を搭載した製品は珍しい。4K撮影が一般化する中でピントの問題は一つの課題だけにユーザー待望の機材といえるだろう。ただ、パネルがHDというのはいささか残念だが、拡大機能も搭載されているほか、12GやQuadSDIやHDMI2.0といった入力の対応やHDRや各社のLogガンマ対応のモニターとして考えた場合に、価格的に非常に魅力的な製品といえる。

ブースでのSUMOは撮影ベースや編集での利用を考慮した展示となっており、SHOGUNなど他の製品がいつものようにデジタル一眼や小型ビデオカメラと組み合わせて展示しているのとは異なった見せ方をしていた。なお、2017年第三四半期発売予定で、希望小売価格は税込336,800円。秋ごろには国内でも現物を見ることができそうだ。

12G-SDIやクワッドリンクSDI、HDMI2.0による4K/60p入力に対応可能ほか、こうした入力から12G SDI/HDMI2.0の出力が可能なコンバーター機能も搭載している

パネルが大きいと当然バックライトなどで消費電力が75Wと大きくなる。AC電源からのほかバッテリー給電用に2系統の電源入力が可能。VマウントやAnton Bauerのマウントがアクセサリーとして用意されている

HDR撮影環境/グレーディング環境のモニタリングをサポートする。Atom HDRモードの搭載や4ch HD 60pライブスイッチ/収録機能を搭載しており、3G SDIx4端子により独立したHDx4chの入力と同時収録に対応。さらに、ビデオ出力をライブスイッチングして選択したチャンネルをビデオ出力可能でチャンネル切替え時にクロスフェードも行える。収録後の再生時もバックグラウンドで4ch同時に行ない、出力を任意にスイッチさせることも可能

新製品ではないが、SHOGUN INFERNOはファームアップデートによるCinemaDNG収録への対応や、税込278,000円から215,000円への価格改定も行われる。また、SHOGUN INFERNOの付属アクセサリーを省いたシンプルな商品構成の「ソフトケース版」を発売するほか、既存のアクセサリーを多数同梱したパッケージも登場。ソフトケース版は税込175,000円で2017年5月1日より発売を開始した。本体のほか、マスターキャディー2やACアダプター、XLR入力ケーブルといった基本的なアクセサリーは付属となる。

SHOGUN INFERNOはファームアップデートAtomOS 8.2により、Panasonic VARICAM LT RAWの入力と収録に対応。これによりDCI 4K(4096×2160)23.98/24/25/29.97pや、UHD 4K(3840×2160)-23.98/25/29.97pでCinemaDNGやProRes、DNxHR対応のほか、ソニーFS5/FS7/FS700におけるDCI 4K(4096×2160)-23.98/25/29.97p、キヤノンEOS 300 Mark II/C500におけるDCI 4K(4096×2160)24/25/30pでのCinemaDNG収録に対応となった

ATOMOSのレコーダーはモニター画面が付いていることが利点だが、レコーダーだけでなくモニター画面も進化しており、数年前からX-Riteのキャリブレーションシステムが対応する。今回、i1DISPLAYおよびi1PRO2のX-RITE i1PROFILERが4Kをサポートすることになり、最新の4Kキャリブレーションのデモが行われたほか、ATOMOSのSSDキャディに対応したG-TechnologyのG-SPEED Shuttle XLなどのコラボレーションデモも行われていた。

X-Riteのi1DISPLAYおよびi1PRO2のX-RITE i1PROFILERが4Kをサポートし、最新の4Kキャリブレーションのデモが行われた

ATOMOSのSSDキャディに対応したG-TechnologyのG-SPEED Shuttle XLなど。キャディを直接装填可能なのでインジェストなしに作業が可能