去る6月12、13日の両日、東京秋葉原のローランドイベントホールにおいて、NAB 2013やProlight + Sound 2013で発表した新製品を中心とした内覧会「ローランド Audio & Visual 新製品内覧会 2013」が開催された。
NABで初出品されたビデオコンバーターVC-1-SCや、12日から開催されているInfoComm 2013で発表されたマルチフォーマットAVミキサーVR-50HDといった製品など、国内では初披露となる製品や今回バージョンアップによりリニューアルされた製品も含め、すべての製品のハンズオンコーナーが設けられており、実際に動作を確認することができるようになっていた。また、個々の製品には詳しい説明員がおり、専門的な質問や相談にも応じていた。
AVミキサーVR-50HDは、3G/HD/SD-SDI/HDMIのほかRGB/コンポーネント、コンポジットとUSB3.0インターフェースを装備。様々な入出力に対応したマルチフォーマット対応となっており、各映像入力にはスケーラーが装備されている。最大12の映像入力にはHDMIやSDI対応のビデオカメラやBlu-rayプレーヤーだけでなく、パソコンなどのRGB入力も可能なので、プレゼンやイベント会場やビデオスタジオなどの設備機器として活用できそうだ。背面に設けられたUSB3.0はパソコンからは映像機器として認識され、ドライバーなどをインストールしなくてもすぐに使用できるようになっている。非圧縮フルHDでパソコンで収録することができる(レコーダー用のソフトVideo Capture for VRが同社Webサイトから無償提供されている)ほか、このUSBにもスケーラーが装備されているので、ライブ配信時など転送レートに応じたフレームレートや解像度を選択できる。
操作は、VR-5などと同様に7型の大型タッチスクリーンで行うことが可能なので、各種設定や画面の切り替えなどを直感的な操作ができるほか、オーディオフォロー機能対応の音声フェーダーなどを備えている。
ローランドはビデオコンバーターとしてVC-300HDのほかVC-200HD、VC-50HD、VC-30HDといった製品を発売しているが、単機能の小型コンバーターのラインナップとしてHDMI to HD-SDIビデオコンバーターVC-1-HS、HD-SDI to HDMIビデオコンバーターVC-1-SH、FSとオーディオディレーVC-1-DLがある。今回発表されたビデオコンバーターVC-1-SCはこうしたVC-1シリーズのラインナップのひとつという位置づけだが、FSを搭載したアップ/ダウン/クロス/スキャンコンバーターとなっており、HD/SD-SDIやHDMIのほか、RGBやコンポーネント、コンポジットといったアナログ信号も任意のビデオフォーマットに変換し、SDIとHDMIから出力できるようになっている。また、スケーラー機能を搭載しており、フレームレートやI/P、アスペクトといった変換にも対応しており、小型コンバーターながら機能は多彩だ。
今回バージョンアップされた製品は、HDビデオワークステーションDV-7HD(Ver1.5)、マルチフォーマットビデオスイッチャーV-40HD(Ver1.1)、8チャンネルレコーダーミキサーR-88(Ver1.1)、ライブミキシングコンソールM-200i(Ver1.01)、ライブミキシングコンソールM-300(Ver1.5)の5機種。
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ショートプレゼンテーション。各製品の特長をコンパクトにまとめて発表。その後、目当ての製品のハンズオンコーナーへという流れ
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AVミキサーVR-50HD。4系統12入力マルチフォーマットビデオスイッチャー。画面合成は合計4レイヤーまで対応しており、エンベデットオーディオのほか、XLR、TRS、RCAステレオ入力も可能。多彩な入力と機能を兼ね備え、コンパクトかつ直感的な操作性を実現している
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VR-50HDには7型のタッチモニターが搭載されており、画面の選択や切り替えを画面にタッチするだけで行うことができる
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VR-50HDのコネクターパネル面。パネル面と同様なマルチビューやPGM、AUX出力HDMI端子やUSB3.0対応の出力を装備している
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ビデオコンバーターVC-1-SC。変換されたフォーマットをSDIとHDMIで同時出力ができるほか、エンベデッドオーディオに対応しており、映像と音声が別入力でもSDIやHDMIに音声をエンベデッド可能
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VC-1シリーズをバッテリー電源で使用するためのアダプター。Vマウントや小型カメラ用のバッテリーが使用可能(NEP)
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HDビデオワークステーションDV-7HD(Ver1.5)。デュアルモニターに対応したほか、映像タイトルトラックの追加、ラウドネスメーターの搭載、ボイストランスフォーマー機能などは追加された
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マルチフォーマットビデオスイッチャーV-40HD(Ver1.1)。オーディオフォロー機能が搭載され、オーディオの切り替えが映像連動となった
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8チャンネルレコーダーミキサーR-88(Ver1.1)。外部コントローラーに対応したほか、ローカット周波数可変やディレイ、チャンネルリンク機能が入力に装備され、ヘッドホンのデジタルブーストも可能になった
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ライブミキシングコンソールM-200i(Ver1.01)。LAN経由での制御が可能になったほか、トークバック時のハウリングを防ぐディマー機能をモニター出力に搭載。シーンメモリーにグローバルスコープ機能やリコールセーフ機能が搭載された
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ライブミキシングコンソールM-300(Ver1.5)。iPadを使用したリモートコントロールに対応。31バンドGEQを4基追加したほか、BUSだけでなく、Ch.Inputにもアサイン可能になった。また、シーンメモリーにフェード機能も追加された
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今回発表となったすべての製品にはハンズオンコーナーが設けられており、多くの来場者が熱心に質問、操作も体験していた
WRITER PROFILE
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