米Hewlett-Packard(HP)と米ITサービス大手のElectronic Data Systems Corporation(EDSC)は現地時間13日、HPがEDSCを買収することで合意に達したと発表した。 取引条件だが、HPがEDSC株式を1株25ドルの現金で買い取る形で行われ、買収総額は約139億ドルになる。これは、HPが2002年にコンパック・コンピュータを18.9億ドルで買収した以来の大きな買い物である。両社の取締役会は全会一致で買収を承認しているが、実際は監視委員とEDSC株主による許可を必要とする。 HPのサービス部門の2007年度の売上高は約166億ドルだったが、両社のサービス事業を合わせると、売上高は年間380億ドル以上、従業員は約21万人の規模となり、この事業部分は2倍以上の規模に拡大する。 HPは、EDSCのブランドを引き継ぐ新部門を設立する予定で、現在EDSCの本社がある米テキサス州を拠点に、EDSCの会長、社長兼最高経営責任者のロナルド・A・リッテンマイヤー氏が継ぐ。これでHPは業界ライバルのIBMに挑む。 HPは近年より多くのコンサルティングと技術サービスを主力にしていた。HPは、EDSC買収により、ITおよびビジネスプロセス・アウトソーシングやアプリケーション事業、コンサルティング、技術サービスなどの提供が可能になり、同社が掲げてきたサービス事業の強化をさらに進めることができるとみる。 今回の買収で、HPが、本社のPaloAlto(カリフォルニア)とテキサスベースのEDSCを統合するビジネスと文化的な挑戦に打ち勝つことができるなら、市場で非常に有利な競争相手になることができるだろう、と業界専門家は語る。 また、EDSCを獲得するのは、急成長のビジネスサービス市場で2位の座に行きつくには「たぶん唯一の道」であったろう、と技術アウトソーシング調査会社、エベレストグループの最高経営責任者、Bendor-Samuel氏はコメントしている。