トムソン・カノープス(国内営業本部=Tel.03-3516-2538または078-231-0551)は11月7日、東京・日本橋のカノープス東京本部セミナールームで開催した内覧会に合わせて記者会見を行い、HDMI出力対応HD編集システムHDSPARKとH.264/MPEG2コーデックアクセラレーターFIRECODER Bluを公開した。
HDSPARKは、PCI Expressバスに挿入するインタフェースカードと編集ソフトウェアEDIUS Pro 5で構成。11月21日から89,800円(税別)で発売する。EDIUS Pro version 4ユーザー向けアップグレード版も59,800円(同)で提供する。今回発売するものは、EDIUS Pro 5とのセット品のみ。インタフェースカードだけの提供は、時期をみて検討するとしている。
インタフェースカードは、ハーフサイズ、ロープロファイルのコンパクトタイプ。リアルタイムHDMI出力端子とアナログオーディオRCA出力端子を持つ。ハイビジョンテレビであればHDMIケーブル1本でオーディオ出力も可能だが、スピーカーのないPCモニタを使用する場合に配慮した。
HDSPARKを使用することにより、に配置した映像を音声と同期しながらリアルタイムに出力できる。トムソン・カノープスは、HDMI出力時における機器とのネゴシエーションによる遅延を最小にすることで、EDIUS Pro 5のプレビューやタイムラインに配置した映像をストレスなく切り替えられるようにした。
FIRECODER Bluは、Blu-ray作成やH.264−MPEG2の相互ファイル変換を実現する専用ソフトウェアFIRECODER WRITERとPCI Expressカードのハードウェアエンコーダで構成。Blu-rayディスク作成機能は、1080i/720pのほか、24pネイティブ形式にも対応し、11月21日に49,800円(税別)で発売する。
FIRECODER Bluのエンコーダ部分は、東芝製高性能メディアストリーミングプロセッサーSpursEnglineを搭載した。4つのCellコアに加え、H.264コーデックとMPEG2コーデックの2つのコーデックチップを、1つのプロセッサーに載せることで高速化を図った。HDV1080iからH.264への変換を素材実時間の約半分で、SDのMPEG2からSDのH.264で実時間の約1/4で変換できるという。さらに、SDとHDの相互アップ/ダウンコンバート機能も搭載。アップコンバート時は「超解像技術」を用いたスケーリング処理で、くっきりとした高画質を実現した。
SpursEnglineの開発には、トムソン・カノープスも映像の高画質化の部分で協力してきた。東芝が開発した超解像技術は、10月に幕張メッセで開催されたCEATEC JAPANで公開。アップコンバートした画像を再度ダウンコンバートしてオリジナル画像との差分を求め、この差分が最小になるようにアップ/ダウンコンバートを繰り返して最適化していく技術。