米カリフォルニア州にあるビジュアル・エフェクツプロダクションのGradient Effectsスタジオは新しく劇場用編集環境のグレーディング・スイートを構築、サービスを開始している。
このスイートルームには、クォンテル社製のカラーグレーディング・システム「Pablo」とオプションの立体3D用編集環境を揃え、DI(Digital Intermediate)シアター内に設置、米国映画産業で着実に伸展している立体映画に備えてDIワークフローに対応できるようにした。
劇場用映画のファイナル・カラーグレーディングをBarco 1500 2k デジタルシネマ用プロジェクターを設置したシアターに直結、大画面でコンテンツを確認しながら調整できる。最新映画作品としては、今年のサンダンス映画祭のプレミアになっている「World’s Greatest Dad」のカラーコレクションやビジュアル・エフェクツを手掛けたという。
Gradient Effectsスタジオでは、独自のワークフローをLidar(Light Detection and Ranging)スキャンニングシステムを採用して行っている。Lidarはもともと建築用のスキャナーで、高画質な3D画像をキャプチャーできるが、映像プロダクションには適応していなかった。そこで、VFXパイプラインに最適化させるため独自のアプリケーションを開発し、現場で取り込んだ3D画像をリアルタイムで3Dアプリケーションに取り込み、そのまま3Dモデリングとして使えるようにした。このVFX製作環境に新たにカラーグレーディング・システムを取り込み、Pablo側で編集しながら同時にVFX側のパイプラインにアクセスできるようにした。