米商務省の米国電気通信情報庁(NTIA)は先週5日、米国議会の追加出資によって、デジタル放送への移行支援のクーポン配布プログラムを完了できる予定が立ったことを発表した。

米国ではデジタル放送への完全移行にあたり、アナログ放送受像機のみ所有している世帯を対象にデジタル-アナログ・コンバータの購入を援助する40ドル相当のクーポンを提供している。しかし予測していた以上の応募があったため、2009年1月4日の時点で、クーポン配布プログラムは予算枠に達してしまった。現在230万世帯(410万枚分)以上がクーポンの発行を待っているという。

このプログラムでは、1世帯につき最大2枚のクーポンを入手できる。使用期限は発行されてから90日。期限内に使われなかったクーポン分は返還される仕組みとなっており、現在約1800万個のクーポンが既に使用されており、約1500万は発行されているものの、まだ使用されていないという。

本来、デジタル放送完全移行は2009年2月17日の予定だったが、決行日直前にこれを延期する法案が可決し、6月12日まで延期されることになった。しかし、米連邦通信委員会(FCC)の定めた手続きに従えば、6月の期限を待たずにアナログ放送を停止できるため、すでに全米放送局の36%にあたるローカル641局がアナログ放送を停止しているという。