米NFLのダラス・カーボーイは今週末の日曜日にホームスタジアムで開催される、サンディエゴ・チャージャーズとの対戦試合にて、スタジアムの巨大スクリーンを使って立体(3D)放送をする。3D映像は、メインフロアから27メートル頭上に掲げられた約49x22メートル四方のスコアボード用ディスプレイに、HDLogix社の技術を使って2ストリームのHD映像から変換した3D HD映像を映し出すという。
この巨大ディスプレイは三菱製Diamond Vision LEDで、世界最大のHDディスプレイとしてギネスブックに紹介されているもの。3D映像はアナグラフ方式で、当日観戦に来る来場者約8万人に、赤青の3D眼鏡が配布されるという。3D映像は、ハーフタイムやセカンドハーフを通してディスプレイされる。
HDLogix社は、サンマイクロ社、IBM、Clique Communications社とAgileVision社にいたエキスパートが集結して設立されたスタートアップ企業。HDLogix社の最高技術責任者ウィル・ガディー氏によると、GPUパワーを使ってオプチカル・フローを生成するソフトウェアがHDLogix社の合成立体映像を生成する基本だという。
独自の超解像度技術により、個々の映像ピクセルを解析してシーンのフィールドの奥行き情報を生成し、それらから3Dエフェクトをモディファイしていく。各ピクセルは1/100のピクセル精度で動作判断され、被写体の動作によりオクルージョン(遮蔽)とディス・オクルージョン(非遮蔽)をトラッキングしていくという。
NFLでは先月、ボストンスタジアムで開催されたサンディエゴ・チャージャーズとオークランド・レイダースの対戦試合を3D中継としてシアターで放映する実証実験を行っており、米NBAに続く、米市場2番目の立体放送に注力を注ぐメジャースポーツリーグとなっている。