米TNTが放送する人気ドラマ番組「Leverage(リバレッジ)」シーズン3の制作を手掛けた米エレクトリック・エンターテインメントスタジオ(EES)では、番組収録からフィニッシングまで完全なデジタルワークフローで行ったという。リバレッジのシーズン3は米国にて2010年6月20日の夜9時から放送開始される(日本ではFOXジャパンが3月から放送している)。

この番組をプロデュースしているディーン・デブリン氏が経営するEESは、米カリフォルニア・ハリウッドにあり、リバレッジ番組の編集やフィニッシングだけではなく、ミキシングからスクリーニング、そして脚本まで、番組における製作全てに携わった。撮影は米オレゴン州ポートランドで行われた。

REDデジタルカメラで4K HD(23.98fps)フォーマットで収録、データはRedCineを使ってRED R3Dファイル(Apple ProRes 4:2:2)に変換してロスのスタジオまで輸送した。スタジオでは3グループの編集チームがローテーションを組み、FinalCutProシステムを使って1週間分にエピソードをカットし、これらデイリーのカラーコレクション、ミキシング、VFXなどを行って仕上げた。これら全てのワークフローにおいて、AJA製のKONAビデオキャプチャが作業効率を上げたという。

AJA KONA3とKONA LHeビデオキャプチャカードは、ポストプロダクションとカラーコレクション部にある編集および再生システムに搭載され、カメラ収録データのビューイングから、ProResファイルのインジェストと再生、フレームコンバージョンの際に使われた。 EESではリバレッジのオフシーズンに、新しい制作環境としてステレオスコピック(3D)製作の再生ワークフローの調査をしたという。

AJA KONA3のドライバーのベータ版はCineform社のNeo3Dソフトウェアを介して3D出力できる。 デブリン氏がカンヌ映画祭出展用に作成した3Dアニメーションのショート作品を使って検証し、今後展開する3D再生ソリューションを見出したという。