ソニーは、フルハイビジョン(AVCHD 1920×1080/60i)で動画撮影できるコンパクトデジタルカメラ”サイバーショット”の新ラインナップ、「DSC-WX5」「DSC-TX9」(他2機種)を発表した。

「DSC-WX5」「DSC-TX9」は、1220万画素裏面照射型CMOSセンサー”Exmor R”と、高速画像処理エンジン”BIONZ”を搭載、さらに「DSC-WX5」はGレンズ(光学5倍ズーム24mm−120mm)を、「DSC-TX9」にはカールツァイス「バリオ・テッサー」(光学4倍ズーム:25mm–100mm)を搭載して高画質を実現した。

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また静止画では世界初の3D静止画撮影モード「3Dスイングパノラマ」撮影機能を搭載。従来機でも最大295度のパノラマ画像撮影機能”スイングパノラマ”が搭載されているが、本機ではさらにこの機能を応用して3D静止画の撮影ができる。1回のスイング撮影で、最大100枚の連写画像の中から左右の目の視差を計算し、短冊状に2枚の画像を摘出してつなぎ合わせ、左右の画像を3D画像として自動生成できる。HDMIを通じてブラビアなどの高速転送に対応した3D対応TVなどで観る事ができ、プレイステーション3などを介せば、この画像は寄り引きが可能なので、3D静止画内をパン&ズームで楽しむ事が可能だ。

また撮影した3D画像は「DSC-WX5」「DSC-TX9」の本体液晶画面でも擬似的な3D画像として裸眼でも鑑賞で可能(スイングマルチアングル機能)。また同社のHDR機能などに応用される連写機能を応用し、6枚の高速連写画像を重ね合わせ合成する新機能「プレミアムおまかせオート」でノイズ低減、逆光補正などダイナミックレンジを拡張した自動撮影が可能になった。

ソニーはデジタルスチルカメラへの動画撮影機能搭載を積極的に進めており、この6月から発売されたコンパクトデジタル一眼レフカメラ”NEX-5/NEX-3″も好調な売り上げを示しているようだ。コンパクトデジタル、デジタル一眼、そしてビデオカメラを合わせた国内の総合カメラ統計では、今年6月にソニーは全国内市場の25%を占める金額シェア第1位を獲得、台数シェアでも13〜15%で2〜3位のポジションを占めるまでに拡大した。

その起爆剤となったのは、今年2、3月のサイバーショットとNEX-5/3の発売によるもので、顧客ニーズ調査でも、どちらも”フルハイビジョン撮影機能”を搭載したところに販売シェア伸張のポイントがあるようだ。

またプレイステーション3では3D写真を管理、鑑賞できるアプリケーション「プレイメモリーズ」を専用サイトより無償配布。PS3との連携により、さらに幅広い3D画像の楽しみ方を提供する。

「DSC-WX5」「DSC-TX9」は8月7日より発売開始予定。市場予想価格は「DSC-WX5」が35,000円前後、「DSC-TX9」が45,000円前後になる模様。


取材・txt:石川幸宏