ベールを脱いだPMW-F3
リリースアナウンスと同時に話題になっている大判イメージセンサーを搭載したデジタルシネマカムコーダーPMW-F3。発表同日、11月8日ソニー高輪オフィスビルにおいてPMW-F3シリーズの製品説明会が開催された。通常の説明会とは違い、サロン形式で開催され、いつもとは違う雰囲気で期待が高まる説明会となった。PMW-F3は、NAB2010のプレスカンファレンスや11月1日のプロフェッショナルソリューション事業方針説明会で披露された大判イメージセンサーを搭載したカメラとデザイン的には同じだが、4kのカメラではない。
プロフェッショナル・ソリューション事業本部 コンテンツクリエーション・ソリューション事業部設計2部 統括部長 本多 隆氏による説明PMW-F3シリーズは、撮像素子に新開発のスーパー35mm相当の”Exmor” CMOSセンサーを搭載したほか、PLレンズマウントに対応しており、各種映画用のPLマウントレンズを装着できるほか、ソニーブランドのPLマウントレンズも3種類が今回新たに開発された。採用されているセンサーの正確なサイズや画素数、ベイヤー配列か否かなど詳細は残念ながら非公開となっている。
記録フォーマットはXDCAM EXシリーズと共通なMPEG2 Long GOP方式を採用しているほか、収録メディアもSxSメモリーカードを採用しており、既存のワークフローをそのまま活用することができる。また、出力はHDMIのほかHD-SDI Single Link(4:2:2 1080 59.98p/50p 10bit)に対応しており、RGB&S-Logオプションを装着することで、HD-SDI Dual Link(1080 4:4:4 23.98p/25p/29.97p 10bit)にも対応可能。HDCAM-SR(SRW-1、SRPC-1)での収録ができるようになり、オフライン用にSxSをオンライン用にHDCAM-SRのテープを使用するといった使い方が可能だ。
デモはZeiss Compact Primeレンズで行われた。 |
後部の入出力コネクター。上2個のHD-SDIコネクターから1.5G Dual-Linkと3G Single-Linkを切替出力可能だ |
PMW-F3と同時開発されたソニーブランドのPLマウントレンズは、カメラとのセット販売のみで、レンズ単品での販売は当面は行わない予定となっている。カメラはPLマウントではなくアダプターで対応するようになっているが、PLマウントレンズを開発したのはカメラ本体がリーズナブルでもレンズが高価ではアフォーダブルな撮影システムを組むことはできないからという説明であった。ただ、当面は専用マウントのズームレンズの発売が予定されているだけで、PLマウントのレンズラインナップを増やす予定は現在のところないそうだ。ただ、今回のレンズラインナップは画角が50度程からになるので広角側にもう2本ほどラインナップがほしいところだ。
PLマウント電気接点はCooke/iとARRI LDSに対応。ソニーのPLレンズはARRIタイプ | PLマウント部分はアダプター形式、カメラ部分のマウントはソニー独自マウントを採用しているという |
数年前REDONEが火をつけたアフォーダブルな大判イメージャーカメラだが、ここへ来てパナソニックが約80万ほどでAG-AF105を発売発表しており、ソニーのPMW-F3が約150万となっている。それぞれコンセプトも設計思想も異なるものの来年から新たな展開が予想される。今月17日から開催されるInterBEEでその全貌が明らかにされる。
LCDモニターの情報表示。フォーカスが合った部分にゼブラのような表示が出るとのことだが、試作品のため今回の発表会のカメラにはその機能は搭載されていなかった |
グリップ部分にはズームのシーソーとEXPNOD FOCUSのスイッチが装備。発売が予定されているズームレンズは10倍以上とのことだが、電動ズームとオートフォーカスに対応している模様で、PLマウントアダプターを外して装着することになるだろう |
主な仕様など
■オプション製品
- RGB & S-Log出力オプション 型名未定
希望小売価格:未定 発売予定日2011年春予定 - 3D オプション 型名未定
希望小売価格:未定 発売予定日2011年予定
■PMW-F3シリーズの主な仕様
■入出力端子
■レンズ(PMW-F3K付属)