米Apple社が米国特許商標庁より、裸眼用3Dディスプレイシステムの特許を取得した。同システムは「Three Dimensional Display System(三次元ディスプレイシステム)」というシンプルな名称のものではあるが、専用の3D立体用眼鏡をかけず、また視聴位置(角度)も固定されずに複数の人が立体映像を視られるという、”自動立体視システム”である。波状構造の反射スクリーンを使用した360度立体プロジェクション・システムのため、左右の眼球それぞれに違った映像が投射される。システムは、視聴者の眼球の追跡及び位置の計算を行い、立体的な映像ピクセルを波状構造スクリーン上の正確なスポットに映写し、左右の眼球それぞれに映す。

各視聴者の両眼の位置を認識するため、複数人が一度に立体映像を楽しむことができる。自動立体の研究開発にかかわる企業はApple社だけではないが、今回の特許取得対象となったのは、以下の他企業の技術内容の制限を解き放したことが挙げられている。

・体積のあるディスプレイによるゴーストおよび透視画像。
・視差の遮断法を使うことにより、視聴者(ビューワ)は静止した状態を保たなければならない。
・ホログラフィ画像を使用するには多大なコンピュータの処理能力と帯域幅が必須となるため、他の自動立体視システムでは高い商業原価が発生してしまう。

また同社は今年に入って、PhoneやiPodから出力した画像を3D立体画像として観ることができる専用電子眼鏡の特許申請も行っている(特許申請番号:20100079356)。