ブラックマジックデザイン社は現地時間12月22日に、ポストプロダクション向けカラーグレーディングシステム「DaVinci Resolve」の新バージョン7.1を発表した。

メジャーアップグレードとなったDaVinci Resolve 7.1は、今までLinux版のみ対応可能であったGPU処理能力を、Mac OS X 版でも対応できるようになり、コントロールパネルのTangent WaveおよびJL Cooper Eclipse CXとの親和性の向上、多彩なフォーマット/コーディックに対応したことなど、編集時間削減を貢献するパワーと新機能が多く搭載されている。

Mac OS Xシステムでは、複数のハイパフォーマンスGPUの搭載が可能になった。Cubix x16 PCI Express拡張シャーシにより、複数のNvidia Quadro 4000 GPUプロセッシングカードを搭載することができる。そのほかにストレージ、キャプチャーカード、やRed Rocketカードを増設し、Mac OS Xプラットフォームでスケーラブルに、ハイパフォーマンスのカラーコレクションシステムを構築できるようになった。

サードパーティによるTangent Waveコントロールパネルのメニューも多く対応できるようになっており、例えば、stereoscopic 3D、バージョン、個々のカーブやクリッピングの調整、スチルストアおよびメモリーへのダイレクトアクセス、新しいキーヤーコントロールなど。JL Cooper Eclipse CXコントローラーにも対応できるようになった。

新しく対応したフォーマットには、ネイティブ、リアルタイム対応のArri Alexa ARRI RAWやD-21 ARRI RAW、Phantom Cineファイル、OpenEXRの圧縮、非圧縮フォーマット、Sony MPEG-4 SStP(Simple Studio Profile)およびSony XDCAMファイルのQuickTimeフォーマットがある。Arri Alexa ARRI RAWファイルのリアルタイムグレーディングはGPUで処理されるため、特別なハードウェアは必要ない。

DaVinci Resolve 7.1の新しい機能としては、ステレオスコピック3Dのグレーディングコントロールが追加された。左右両目のタイムラインスリップ、自動カラーマッチング補正、ピッチとヨーイングのキーストーンコントロール、side by sideおよびline by line方式のレンダリングなどがある。ドロップフレーム・タイムコードへの対応や、720P50および720Pコンフォーム、1080P50、1080P59.94、1080P60モニタリング、そしてデジタルデイリーのグレーディング転送のための自動マルチプロジェクトColorTraceにも連動できる。

新しいユーザーインターフェースのディスプレイでは、プライマリー・カラーグレーディングのタブにクリップカウント・ディスプレイ、コンフォームスクリーンにセッションデュレーション・ディスプレイや、新しいスレートのオプションとして、ソースクリップ名を表示するオプションと自動保存機能が追加された。

さらにREDカメラのグレーディングも強化している。REDcolor2とAdobe 1998カラースペース、REDgamma2ガンマスペース、VフリップとHフリップの自動カメラメタデータをサポートし、デコード設定のグループ調整やコピー&ペーストのためのスチルストアへのREDメタデータの保存も可能になる。

このメジャーアップデートは12月22日より、Blackmagic DesignのDaVinci Resolveのサイトよりダウンロード形式で、既存のDaVinci Resolveの顧客に対して無償で提供されている。ダウンロードは以下より。

http://www.blackmagic-design.com/jp/davinci/support/