3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、ソニーグループの複数の事業所における建物や生産設備への被害があり、生産設備の停止が行われている。ソニー株式会社の磁気テープ、ブルーレイディスクを生産している宮城県多賀城市の工場も被害を受け、HDCAMテープの生産ができない状況になっているという。

この工場は、津波で1階部分が浸水し1159人が上階に避難して一夜を明かした。また商品保管倉庫も影響をうけ復旧の見込みが立っていない状況の中、比較的被害の浅い地域の在庫も、流通が滞っていることや報道各社への供給が重なり品薄状態。復旧は長期にわたると予想されている。オンラインでテープを販売している社団法人日本テレビコマーシャル制作社連盟(JAC)や、協同組合日本映像事業協会でも在庫限りでの提供を発表している。

国内だけでなく、主に米国のテープ販売会社でも顧客へ緊急告知をしており、ソニー製のHDCAM SR、HDCAM、DVCAM、Betacam SP、Digital Betacam、Betacam IMX、Betacam SX、XDCAM SxS、LTO、Blu-ray、DVとHDVフォーマットのメディアが今後入手困難になると警告している。

富士フイルム株式会社および日立マクセル株式会社ではHDCAM記録方式のメディアを製造しているが、富士フイルムの生産工場は計画停電の対象になっているためフル操業は難しい状況である。また日立マクセルは放送局への納品でフル稼働が続いているという。