米国の大手ケーブル事業者であるCablevision Systems Corporation(ケーブルビジョン)は4月2日から、ケーブルで配信している番組が観られるiPadアプリをリリースした。ケーブルビジョンのiPadアプリ「Optimum App」は、App Storeからフリーダウンロードできる。(編集部註:日本のApp Storeでは公開されていない)
アプリを通して、約300チャンネルのテレビ番組、約2000のオンデマンドビデオが楽しめる。テレビガイドのほか、DVRのコントロールやクローズキャプションなどの機能がある。また今夏までには、リモートコントロール機能とオンデマンドのビデオライブラリを強化する予定だという。
米国ではタイムワーナーケーブル(TWC)やComcastといった他MSOもモバイルデバイスへの番組提供サービスを実験的に開始しているが、TWCでは、番組ホルダーとの番組配給ライセンスの問題で、提供できるチャンネルの制限を余儀なくされている。ケーブルビジョンの場合、番組ホルダー達との既存の契約でもケーブルシステム経由でiPadへ番組を配給までの権利を持っているため、TWCのケースのような問題にはならない、と主張している。
ケーブルビジョンの最高経営責任者Tom Ruthledge氏は声明で「iPadでの番組配給サービスは、テレビ観賞をより便利に、フレキシブルにする。セットトップボックスが必要なケーブルテレビのサービスとは違い、iPadでの番組配給サービスならば、家のどこに居てもテレビが観られる。バーチャル・セットトップボックス、これが今後、我々ケーブル事業者に求められる次世代のサービスだ。テレビディスプレイに留まることなく、様々なアプリケーションにより、iPadのほかにも新しいデジタルディスプレイへサービスを展開していくことになるだろう。」と語っている。