I3研究所(アイキューブド研究所)株式会社は、ハイビジョン(1920×1080画素)の映像信号から4K(3840×2160画素)映像を生成する映像クリエーション技術ICC(Integrated Congnitive Creation:統合脳内クリエーション)の開発を発表した。
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- 説明する代表取締役の近藤 哲二郎氏
ICCは、HD映像信号から4K映像信号への単なるアップコンバーターではなく、人間が現実風景や被写体を直接見た時に発生する「認知」の働きと同等の体験を映像視聴時に得られることをコンセプトとした映像生成技術。映像の高解像度化やノイズ低減など従来のリアリティ向上のアプローチにとどまることなく、元のHD信号が持つ少ない情報量から、遠近感や立体感、質感などを自然界により近い形、実際のものに近い形で再現する。また、実際の情景を見る場合と同等の光刺激を与えることで視聴時における脳への負担を低減し、豊かな映像体験を得られるとしている。
ICC LSIチップ
ICC LSIチップが入った装置。ICC技術で創出した4K映像を送り出す。ちなみに製品版ではない。
画像評価の様子
近藤氏は、長年に渡りソニーで独自の映像信号処理技術DRC(Digital Reality Creation)を開発してきた人物。2008年に「DRC-MF v3」を手掛けたのち、2009年にアイキューブド研究所株式会社を設立した。従来のDRC開発の経験から、さらなる映像認知率の向上を目指し、フルHDの4倍の解像度を持つ新たな4K映像のクリエーション、新機軸での高画質化技術(映像視聴の際の脳の負荷軽減)を持つICC(Integrated Congnitive Creation)を開発した。
アイキューブド研究所は、今後、映像ディスプレイ市場では大画面化と、4K以上の多画素化が同時に進み、大画面からより緻密な光刺激を発する映像空間を創造するデバイスに進化することでICC技術の需要がうまれるとしている。今後、ICC LSIの実用化を目指していくとのこと。