パナソニック株式会社は6月20日、2012年3月期の連結業績予想(米国会計基準)を発表した。それによると、営業利益は前期比11.5%減の2700億円。3年ぶり減益になるという。同社は、東日本大震災の影響による調整が必要として開示が遅れていた。
今回の減益の理由として、東日本大震災による自動車生産の落ち込みによるカーエレクトロニクス製品の販売減、それにデジタル製品の供給減による携帯電話、液晶テレビの販売の販売減を挙げている。
一方、復興需要として、LED照明、乾電池、太陽光発電システム、燃料電池、住宅関連製品の販売の伸びも想定している。米ロイター通信(オンライン)によると、今期の営業利益予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト達の予測平均値2620億円を上回った。
パナソニックは、VIERAテレビとLUMIXカメラ販売の好成績により、昨年は3050億円の営業利益を上げており、震災の影響がなければ本年度は売上高を8兆8000億円、営業利益を3100億円まで予想額を上げられたとしている。
4-9月期の連結業績予想は、売上高が4兆円(同8.4%減)、営業利益が100億円(同94.0%減)で、最終損益は700億円の赤字となる(前年は747億円の黒字)。すべて上期のマイナスで、今年4月1日付で完全子会社化した三洋電機とパナソニック電工の統合にかかる構造改革費用として1100億円を計上することも響く。下半期は自動車関連の回復を見込む。