1日1億本の動画視聴数を突破する記録を持つ中国最大のオンライン動画共有サイト「Youku」は、米ドリームワークス・スタジオと「カンフーパンダ」を中国へインターネット配信するための提携を結んだ。カンフーパンダが米国外に配信されるのは初めてだという。
中国で大人気のこの作品は、近々Youkuのプレミアム・オンデマンド・サービスにて、1米ドル未満で配信される。また、追ってハリウッドムービーチャンネルにて無料で観られるようになる予定。
ドリームワークスは、中国市場へ進出したハリウッドスタジオとしては市場2番目。2カ月前には、ワーナーブラザースがYoukuと「ハリーポッター」や「ロード・オブ・ザ・リング」を含む450作品のストリーミング配信の提携をしている。これら作品には中国語の字幕が付いており、1作品46セント~77セントで観賞できる。
中国で映画をDVDで流通させようとすると、製造に最低1.50ドルのコストがかかるため、Youkuではストリーミング配信は著作権侵害の対策として有効だとしている。カンフーパンダは2008年に中国で大ヒット、引き続き今年公開の「カンフーパンダ2」でも9200万ドル以上の収益があったという。カンフーパンダ2は日本では3D字幕でも上映された。
ハリウッド映画関連企業の中国進出は浸透してきており、数日前には立体映画技術を持つ米RealD社(リアルディー)が、北京のSAGA Luxury Cinema Management Co.と提携した発表があった。この提携により両社は、3年間内で中国内20か所以上の映画館にRealDシネマシステムを搭載していく。リアルディーは昨年11月にも中国最大の劇場オペレーターであるWanda Cinemaと、500スクリーンをRealD方式で3D化する提携を結んでいる。