デジタル書籍リーダーの先駆者であるアマゾン社がタブレット端末を発表するだろうと言われている記者会見を明日に控え、TechCranchなどこの件に詳しい情報筋が「Kindle Fire(キンドル・ファイヤ)」という製品名を表に出してきた。
ニューヨークタイムズからPCワールドといった専門情報網まで、今回のアマゾン・タブレットの話で持ち切りだが、アマゾンが本当にタブレット端末を発表するのか、仕様や価格帯はどうなるのか、どこからもアマゾン社に確認した情報は出てきていない。
そうとしても、もしアマゾンが入手しやすい価格帯でタブレットPCをリリースしてくれば、ペイTVや配給会社へ影響を及ぼしてくることは予測される。キンドル・ファイア(仮名)が番組配給会社へのドル箱となれば-つまり、アマゾンユーザーにテレビ番組や映画を販売できた番組供給会社は収入を上げられるが、iPad AppsのようにComcast、DirecTV、Cablevision、AT&TなどのペイTVプロバイダーが、マルチスクリーンサービス加入者用に作ったタブレット用アプリといったものを今後サポートできるかは、座礁に乗り上げる。アマゾンはこの夏、iPadでキンドル用書籍を読めるiPad用アプリをリリースしている。(左画像)
キンドル・ファイヤは7インチディスプレイで、BlackBerry PlayBookとODMを採用しているため(Quanta社)、PlayBookと似ている外姿だという。デジタル書籍リーダーの2位の座にいるBarnes & Nobleが来月リリース予定としている「Nook Color 2」に対抗し、価格帯は250~300ドルとされている。OSはNook Color 2はGingerbread(Android 2.3)だが、キンドル・ファイヤはAndroid 2.1になるという。
キンドル・ファイアのネーミングのごとく、キンドルファンの情熱をかきたて、タブレットユーザーを熱中させるものになれても、供給者側には喜ばしいものになるのか-それは日本時間の明朝までに明らかになる。発表会はニューヨークにて、東部標準時の午前中に行われる。
(山下香欧)