キャッチアップTVポータルとも言われている「Hulu」の売却さわぎは終止符を打った。Huluの共同出資会社である、News Corporation、Providence Equity Partners、米ウォルト・ディズニー社らから10月13日(現地時間)、Hulu社売却を引き下げることを明らかにした。

共同出資会社達は今年6月にHuluを売却する方向で動いていることを発表、News Corp社の最高経営管理者 Rupert Murdoch 氏とディズニー社の最高経営管理者 Bob Iger氏が主導して進めていた。しかし、「我々が今やらなければならないことはHuluの明るい未来に向けて最善の貢献を尽くすことだ」と語り、最高2億ドル(約153億円)売買になるだろうと言われた、Hulu社のIPO上場計画を取りやめた。この経緯には、Netflix社の事業分裂さわぎも影響したとみられる。

また最近になってHuluが衛星放送サービスのDish Networks社と提携し、テレビ番組の新シーズン開始前にDishの加入者がHuluのコンテンツを観賞できるサービスを始めた。このことがNews Corp社のような放送事業者がストリーミング・サービスを競合とみなすよりも融合させるほうが利益性を生むと判断させたと見られる。またHuluは、ユニビジョンとコンテンツライセンスを取得したり、日本でサービスを開始したりと、次々とサービス拡大を展開していることもHuluオーナー達の売却心を咎めることとなった。

Huluの売却先には米Amazonをはじめ、米DirecTV、米グーグルや米Apple社まで候補に挙げられていた。

(山下香欧)