米Mattel(マテル)は10月24日(現地時間)、「きかんしゃトーマス」や「ボブとはたらくブーブーズ」といった、幼児向け人気キャラクターブランドで知られる英大手アニメーション制作会社HIT Entertainment社を現金6億8000万米ドルで買収する合意に至ったことを明らかにした。マテル歴代において莫大な額面となる今回の買収で、既に認知度高いバービーやフィッシャープライズに続き、幼稚園児達に大人気なトーマスとボブを仲間に加えることになる。
HITはロンドン、ニューヨークに主要拠点を置くほか、「ピングー」や「ボブとはたらくブーブーズ」などのストップモーションアニメを制作するためのスタジオも保有するが、モデルアニメーションだったものも順次CGアニメーション化されてきている。また2008年には映画製作部門ヒット・ムービーズ(HIT Movies)を設立、初作「きかんしゃトーマス」は今年公開された。収益は年間約1億8000万ドルと言われる。
マテルにとってはHITの税金や減価償却、利子を加算する前の収益額の約10倍を支払って獲得することになる。HITは2005年にエイパックス・パートナーズ社に買収されているが、当社が抱えていた巨額の負債負荷は未だ引きずっていた。昨年HITは貸し手側と、高金利と引き換えに負債満期を今年まで延長することで合意していた。HITは今回の買収により、全部支払うことができるとされる。マテルは既にHITブランドのトーマスを玩具として流通に流しており、昨年は約1億5000万米ドルの収益を得ている。
「きかんしゃトーマス」、「ボブとはたらくブーブーズ」、「ピングー」、「アンジェリーナはバレリーナ」(WOWOW)、「キッパー」(カートゥーンネットワーク)など、HITのキャラクター番組は日本でも放映されている。