グーグルは11月1日、日本テレビ放送網が米グーグル傘下の動画共有サイト「YouTube」に公式チャンネルを開設したと発表した。これにより、在京の地上テレビ放送キー局5局の公式チャンネルがYouTubeに揃ったことになる。テレビ広告事業が行き詰まっている事情、ネット世界で新たな収入源を求めていくことも背景に伺える。
新チャンネルの名前は「日テレ Channel」。番組宣伝用のコンテンツやニュース番組を配信する。現在は、ドラマ「家政婦のミタ」や金曜ロードショーなど、番組の予告プロモーション動画が掲載されている。今後、テレビでは見られない特別コンテンツや、YouTube限定のプロモーション動画、各番組のスピンオフ企画などが掲載されていく予定。
YouTubeには2009年、テレビ朝日とTBSが先導して公式チャンネルを開設。当時は、在京キー局が今までネガティブに捉えていたインターネットでの動画配信サイトとビジネス関係を築き上げていくことが話題となった。そして2010年4月にテレビ東京、今年5月1日からはフジテレビもそれぞれ公式チャンネルを開設している。また、NHKは2008年5月にチャンネルを開設し、試験配信を開始、TOKYO-MXは試験的配信を経て2007年7月に公式チャンネルを開設している。
3.11の東日本大震災では、インターネットの動画配信サイトやソーシャルメディアが緊急地震速報や最新の情報を提供し、またヤフーとグーグルがサイト連携をして、震災復興や今後の防災にとって記録的価値の高い情報を保管している。放送事業者はそれらを見据え、情報提供の在り方に関してインターネットとの協調を問う時が来ている。
(山下香欧)