4Kはレンズからリビングルームまで広がっていく

ソニーは11月16日、幕張メッセの国際会議場で国内放送機器ビジネスへの取り組みやInter BEEの出展内容に関する放送機器群やソリューションなどについの説明会を行った。

まず最初にソニーの業務執行役員SVPの根本章二氏から、戦略の近況や今後の展開について説明を行った。映画館では次々と4Kの環境が導入されており、デジタルシネマプロジェクターは累計出荷台数が1万台を突破したことや、欧米のみならず日本でも多数導入されている見通しであることを紹介した。

4Kの制作環境では、8K CMOSイメージセンサーを搭載した4K解像度のCineAltaカメラ「F65」が完成したことや、多くのアライアンスパートナーに参加して高速ファイルベース運用を実現するメモリーストレージシステム「SRMASTER」で4Kのワークフローが構築できるようになったことを紹介した。ソニーは、先日発表した4Kホームシアタープロジェクターも12月に発売する予定で、4Kはレンズからリビングルームまで広がっていることを紹介。「4Kの市場がこれから広がることを信じている」と語った。

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戦略の近況や今後の展開について説明を行ったソニーの業務執行役員SVPの根本章二氏

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4Kがレンズからリビングルームまで広がっていることをアピール

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SRMASTERの対応製品が充実してきたことを紹介

新製品HDC-2500や有機ELモニタの新ラインナップを紹介

続いて、ソニービジネスソリューションの代表取締役 花谷慎二氏から映像制作のビジネス領域から説明が行われた。最初にXDCAMは導入は一気に加速しているという現状から紹介した。すでに国内地上波100局が採用、ケーブルTVでは210局でトータルで300局以上がXDCAMを採用しているという。特にXDCAMは、既存のテープのオペレーションを維持しながら、順次ファイルオペレーションに移行できることをアピールしていた。また、7月にCMのファイルでの搬入基準が決まり、すでにDXCAMでCMが搬入されている実績もあるという。さらに、スタジオカメラが7年ぶりにリニューアルした新製品を発表。プログレッシブCCD&DSPや16ビットA/Dコンバータ、標準2倍速スローモーションを搭載した「HDC-2500」を紹介した。

シネマ領域では、他社からはすでに4K対応のカメラが発売されていて、「ソニーはプロジェクターはあっても、カメラはない」といわれていたが、CineAltaカメラ「F65」の発売でトータルソリューションとして提供できるようになったことを紹介。撮りから記録、加工、上映まで4Kで実現できるようになったことをアピールした。「F65」は、この領域でもファイルベースを念頭において開発されていて、F65の4Kを生で録画する半導体のポータブルレコーダー「SR-R4」で、違和感なくファイル化へのブリッジが実現できる。その後は、既存のコンピュータを使った編集などに入る部分もアライアンスパートナーを結ぶことによってスムーズにファイルオペレーションに入れるという。

モニタの新製品としては、25インチと17インチの有機ELモニタの新シリーズがあることを紹介した。従来から放送領域やシネマの領域の最上位機種としてEシリーズを発売していたが、新しく発表されたFシリーズは放送領域に特化したモデルで、「汎用的に使われているPVM」、「新製品のFシリーズ」、「トップエンドのEシリーズ」の3種類で拡充を狙っていくとこと。有機ELに関しては、プロ用の領域でフルスイングで更なるラインナップの拡充を計っていくという。

世界中の放送局から要求を受けているというアーカイブは、テープは耐久性はあるがメインテナンスが必要という制約をなくしたものとして、ワンパッケージの中に光ディスクを12枚入れて、11.5TBまでの容量をカバーしたメディアを開発中であることを紹介した。今回はデッキを含めてデモを展示しているので実機をみてほしいとアピールした。

最後に会場のブースを紹介した。展示の面積は昨年と同じで、HDC-2500やF65もカメラも展示されているという。今回は、「見て納得感のある商品が多いので、ぜひ実際にごらんになってほしい」「HDを超えた領域で4Kワールドを確立するとともに、導入可能な範囲での価格設定でどんどんと拡販につとめていきたい」とアピールした。

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新製品について紹介するソニービジネスソリューションの代表取締役 花谷慎二氏

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国内の地上波局でXDCAMを導入した局が100を超えたことを紹介

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新開発のCCDやDSPなどを搭載した放送用HDスタジオカメラ「HDC-2500

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CineAltaカメラ「F65」やポータブルレコーダー「SR-R4」をアピール

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他社ノンリニアシステムなどでも使用できるアライアンスパートナーを紹介