米アドビは、最新Android OSバージョン4.0に最適化させたFlash Playerを提供することを明らかにした。同社は11月9日にモバイル端末向けFlashの開発中止を発表、今後はHTML5関連の取り組みにフォーカスしていくことを宣言しており、この発表の影響で同社の株価は一時14%も下落した。
米アドビのスポークスマンによると、今後について、Android 携帯およびBlackBerry PlayBook向けの「Flash11.1」そしてFlash Linuxポーティング・キットは、予定通り今年度末までにリリースし、それ以降はバグの修正やセキュリティーアップデートなどのメンテナンスだけを行うことになるという。
アドビ社のインタラクティブ開発担当副社長であるDanny Winokur氏は、「過去2年間において、Flash Playerはモバイル端末においてWebの進化には欠かせないものであった。当時はゲームなどのコンテンツ開発に関してHTML5には難しい部分があった。しかしHTML5が業界標準とされ、ほとんどのモバイル端末で対応できるようになった今、HTML5がモバイルプラットフォームのブラウザとして、コンテンツを制作し浸透させるのに最善のソリュ―ションであることは間違いない」と公式ブログで伝えている。
アドビは今後、Flashのモバイル戦略として Adobe AIRを利用したネイティブアプリへの変換機能を推進していくという。デスクトップ向けのFlash 12は開発が継続される。
コードネーム”アイスクリーム・サンドイッチ”~正式名称「Andorid 4.0」は、携帯電話とタブレットの両方で動くユニバーサルOS。Andorid 4.0を搭載した初のスマートフォンはサムスン製「GALAXY NEXUS」で、これは日本ではドコモから12月に発売される。
アドビは先月、PhoneGapの開発元であるNitobi Softwareを買収し、HTML5とJavaスクリプトベースでクロスプラットフォームのアプリを開発する環境を入手している。