ソニー株式会社は、開発中の次世代自発光ディスプレイ”Crystal LED Display”の55型フルHD試作機を、米ラスベガスで開催中の展示会「2012 International CES」にて参考出展したと発表した。LED光源を用いた自発光ディスプレイとして55型フルHDを実現したものは業界初という。

Crystal LED Displayは、同社独自の方式により、RGB各色の微細なLEDをそれぞれ画素数分配置した自発光ディスプレイ。RGBのLED光源を直接ディスプレイの前面に配列し、光の利用効率を向上させることで、既存の液晶ディスプレイやプラズマディスプレイと比較して、明暗両環境における高コントラストや、広色域、高速動画応答性能、広視野角を低消費電力で実現したとしている。また、ディスプレイの構造の特徴から、大画面化にも適しているという。

「2012 International CES」に参考出展された試作機では、既存の液晶ディスプレイと比較して、明所コントラスト約3.5倍、色域約1.4倍、動画応答速度約10倍を実現したとしている。試作機の主な仕様は以下の通り。

画面サイズ :55型
画素数 :1,920×1,080×RGB
(フルHD:RGBのLEDを約200万個ずつ合計約600万個使用)

表示素子 :RGB LED
輝度 :約400 cd/㎡
視野角 :約180度
コントラスト(暗所) :測定限界値以上
色域 :NTSC比(xy)100%以上
消費電力
(パネルモジュール):約70W以下