米Facebookが株式公開する準備をしているという噂は昨年からウォールストリートを賑せているが、いよいよその実行の日が近付いてきたようだ。ウォールストリートジャーナル(WSJ)は1月29日、内部事情を良く知るソースからの得た情報として速報した

それによると、Facebookは出願書類を2月1日までに証券取引委員会(SEC)に提出する予定だという。これが実行されれば早くて4月にも株式公開となる。WSJの見解としては、Facebookはゴールドマン・サックスよりもモルガン・スタンリーを、取引支援する投資銀行として選ぶだろうとしている。モルガン・スタンリーは、LinkedInやグル―ポン、Zyngaといった、インターネット業界の大手企業のIPOに携わった優秀なチームがFacebook社の拠点と同じ、シリコンバレーのメンロパークにいる。

100億ドルの企業査定価格があるFacebookは米国企業では、ビザ株式会社(VISA)、ゼネラルモーターズ社、AT&Tワイヤレスの後の4番目のランクインとなり、インターネット関連企業では、Google社の記録を塗り替えて最大級の格付けとなる(Google社は2004年に230億ドルの評定価格で19億ドルを集めた)。

Facebookの収入は主に広告ビジネスから成っている。米調査会社eMarketerによると、Facebookは2011年に広告収入を2009年の7億3800万ドルから38億ドルまで増幅させたという。

Facebookの最高経営管理者マーク・ザッカーバーグ氏は、以前から株式公開をすることで、自分達のカルチャーに影響を及ぼすことを恐れていた。しかし同社役員達は、2011年末までには同社が500以上の株主を抱えることに気づき、氏を説得していたという。

氏は、むしろIPOをして財務情報を公開して財政的な利益を獲得するほうが、外に対してFacebook社をより理解してもらうためにも、良い方向であると考え始めたらしい。

FacebookがIPOとなれば、シリコンバレーのミリオニアにGoogleの時とは違う、前例ない新しい世代を生み出すことになる。また、財務実績を3カ月ごとに投資家から精査されるという、27歳という若さの最高経営管理者、マーク・ザッカーバーグ氏の経営者としてのパフォーマンスを視ることになる。

 

氏は、株式公開となっても、スタッフには株への影響を恐れず、最高のサービスを生み出すことをミッションとして持っていて欲しいと語っている。

昨年3月、ソーシャルメディアのGoliathはワーナーブラザースと提携し、映像作品をFacebookのクレジット方式を使ってFacebook上でレンタルするフローを築き上げた。Facebookも自身で、メジャーリーグやFAサッカートーナメントの実況中継をストリーミング放送し、またミラマックスや人気番組の最新エピソードのオンデマンド配信も行った。

Facebookは昨年に引き続き前例ない事例を造り上げていく。米国に留まらず世界規模でテレビ視聴者がソーシャルTVを意識している。Facebookがテレビとソーシャルメディアの融合の役目である存在は非常に大きい。

(山下香欧)