パナソニック社が米国のセットトップボックス市場から撤退することが、米国で報道されている。

同社のアプライアンスは米市場で2大ケーブル事業者(タイムワーナー・ケーブルおよびケーブルビジョン・システム)で採用されているにも関わらず、今回の方針が打ち出されたのは、不採算のテレビ事業立て直しのため、コストカットが大きな原因と言われている。本年度第2四半期の売上高は、1058億円減(米13.6億ドル)の損失を計上、売上高は前年比6%となっている。

同社は、既に米国の顧客へ国内ケーブルサービス向けのセットトップボックス事業から退くことを告知したという。同社の事業部はニュージャージーとブルームフィールド(コロラド州)にあるが、両オフィスがいつクローズされるかなどは明らかになっていない。米国最大のケーブルネットワーク大手コムキャストは、ダウンロードが可能なビデオセキュリティシステムを買ってサムスン製のSTBを採用しており、パナソニックは新しい暗号化方式をサポートして、そのセカンドソースになろうと試みていた。

先月に米ラスベガスで開催されたCESでは、タイムワーナー・ケーブル社が同社ブースにて、パナソニック製の新ビエラTVから番組サービスを提供するためのアプリ(開発中)を紹介していた。パナソニック社の方針は今後、同社の新しく打ち出してきたスマートTV(インターネットTV)によるケーブルTVの対応にどう影響していくだろうか。

(山下香欧)