ソニーは、複数のHD映像信号や音声信号、各種制御信号を一本のネットワークケーブルでIP伝送する「NXL-IP55」を開発したと発表した。従来のHD-SDIインフラにIPネットワーク伝送技術を融合させることで、新たな映像伝送オペレーションを具現化し、次世代のライブ映像制作を実現するものとしている。発売時期および価格は未定。
NXL-IP55では、放送品質のHD映像を1フィールド以内の遅延に抑えるとともに、ネットワーク経由で同期させたIP伝送を実現。これによりAV制御室と離れた場所に設置された複数のカメラ間の接続が可能となり、従来のケーブル敷設に比べてシンプルなシステムを構築できるとしている。さらに、NXL-IP55は一組で双方向のIP映像伝送が可能で、たとえばAV制御室でスイッチングされた映像出力を劇場側のNXL-IP55に超低遅延で戻し、大型スクリーンに映像を投射するといったシステム構築も行えるという。
また、NXL-IP55は、新製品の放送用カメラHDC-2000シリーズのIP伝送機能と組み合わせて運用することも可能で、HDC-2000シリーズのGbitネットワーク伝送回線の両端にNXL-IP55を接続することで、最大カメラ3台分の映像信号を伝送できるという。これにより、カメラとCCUを結ぶ一本の光複合ケーブルで最大4系統のHDカメラ映像の伝送ができるようになるため、スポーツ中継や劇場中継などで活用できるとしている。