米アベカス社はNAB2012にて、最大8チャンネル対応のライブプロダクションサーバMira専用のコントローラを市場初公開した。既存のサードパーティのコントローラに比べて横長のスリムなボディにオペレーターフレンドリーなGUI志向のインターフェースを有する。

NABのブース展示では、中継放送による瞬時に正確な制御を行わなければならないオペレータにとって、非常に作業のしやすい、またシンプルな操作で慣れやすいと、ブースに立ち寄って体感したオペレータ達から高い評価を受けていた。Miraサーバも初デビューがNABであった。今回発表された専用コントローラは3年間の調査と、既存の300サイト以上のユーザーからのフィードバックにより完成されたという。横長のフロントパネルの左にはTバー、右にはジョグ/シャトルが実装されている。Tバーではスピードコントロールが+-400%まで制御できるようになっており、カメラソースの切り替え、リプレイ/ライブソースの切り替えはワンボタンで行える。パネルの縦幅を取らないため、キーボードを縦に並べることで、オペレータの視野に操作のすべてが収まるようになっている。

Mira control

会場ブースでもデモンストレーターをしていた、EVSオペレータでもあるアーウィン・ツガイ氏は、オリンピックやスーパーボウル、ワールドシリーズといった様々なスポーツイベント中継でのオペレーション経験を持つ。「Mira専用コントローラは非常に直観的で、尚且つキーとスペースの間隔にもオペレータの操作感を意識して設計されている。ワンクリックのエラーで放送事故を発生させるような環境で操作をしている我々にとって、コントローラは一番重要な部分。この専用コントローラは、自分が現場で使っているものよりも快適に使える」と語っている。

この専用コントローラは来月にも出荷予定。価格は公開されていないが、現状のサードパーティのコントローラよりも価格を抑えてあるという。

(山下香欧)