米エンビビオ社は5月22日(現地時間)、スカパーJSAT株式会社のマルチスクリーンTVサービス『スカパー!オンデマンド』のヘッドエンドシステムとして同社のエンコーダシステム「Envivio 4Caster Gen III」が採用されていることを発表した。

『スカパー!オンデマンド』は、「パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどで、多チャンネル放送『スカパー!』のコンテンツを一度購入すれば、いつでもどこでも視聴できる」、マルチデバイス向け放送連動型ビデオ・オン・デマンド配信サービス。iOSおよびAndroidプラットフォームの携帯やタブレットまたPCからライブおよびオンデマンドで幅広い番組コンテンツや映画が楽しめる。

昨年12月から有料サービスを開始しており、2012年2月1日からはテレビでも視聴できるようになった。Jリーグや秋にはUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグといった国内外の注目スポーツ番組のライブ放送が、屋内外場所を問わずモバイル端末から高画質で鑑賞できることで、人気が高まってきている。

このサービス専用のヘッドエンドシステムに、エンビビオ社の4Casterエンコーダシステムおよびネットワーク管理システム「Envivio 4Manager」が採用されている。ヘッドエンドシステム構築を手がけたのは、伊藤忠ケーブルシステム株式会社。

4Casterエンコーダでは、マルチスクリーン向けに、コンテンツをApple HTTP Live Streaming (HLS)、Microsoft HTTP Smooth Streaming(HSS)用にフォーマット変換およびパッケージングを行う。4Managerと組み合わせることで、ヘッドエンドシステムの監視および制御を行い、放送事業者の要求に応えられる環境を実現している。

アダプティブ・ビットレートに対応しているため、ユーザーの視聴環境に合わせて常に最高の画質のストリーミングが可能だ。エンビビオ社のソリューションは、世界規模で300社以上のテレコム、ケーブル、衛星放送事業者、コンテンツ事業者、放送事業者に採用されているという。米国三大MSOも同社のエンコード技術を採用してマルチスクリーンTVサービスを提供している。4月末には、ナスダック証券取引所に上場した。

(山下香欧)