今週、米国ロサンゼルスで開催されている、世界最大のゲームエンターテイメント祭典であるElectronic Entertainment Expo(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ:E3)にて、米マイクロソフト社と米ソニーコンピューターエンターテイメント社は、双方のゲーム機器で新たなメディアエンターテイメント戦略を発表した。
ソニーはPlayStation Mobileの認定プログラムより、新たなハードウェアパートナーとしてHTCが加わったことを発表。これにより、PlayStationコンソールで一世風靡した作品がHTC製Androidスマートフォンやタブレットでプレイできるようになる。
PlayStationスイートと過去呼ばれていた認定プログラムはソニーより昨年発表された。当時ソニーコンピューターエンターテイメントのCEOであったソニー社長平井氏は、「このプログラムはPlayStationエクスペリエンスを、PSPを超えて拡張させるもの。初のクロスプラットフォームへの挑戦」として、モバイルエコシステムを通して過去のレガシーゲームタイトルを今世代のモバイル端末で再びプレイできるように先導していた。
HTCハードウェア対応に既存のゲームコンテンツを移植するためのSDKはソニーより今年後半にリリースされる予定。
米ソニーではPS Vitaを今年2月リリース以降、約180万台販売したという。PS3の世界販売数は6500万台。また、E3のプレス発表において、Hulu PlusとCrackleストリーミングビデオアプリをVitaで近々提供することを告知した。同社は公式ブログで先月末にYouTubeアプリも提供することも明らかにしている。
マイクロソフトからは、クロスプラットフォーム・アプリケーションXbox SmartGlassを発表。命名のとおり、Xbox360をスマートフォンやタブレットおよびPCとクロスプラットフォームで楽しめる、というもの。無償のXbox SmartGlassアプリは、Wi-Fiリモートアプリの機能を持ち、iOS、AndroidやWindows Phone/Windows8でXboxコンソール上のゲームやビデオ、音楽コンテンツを楽しめるほか、モバイル端末をゲームコントローラーとして使うこともできるという。また1つのコンテンツを複数の端末で引き受けて使うこともできる。つまり、ビデオをXboxで見ていても、途中で端末へ切り替えて続きを観ることができる。Xbox SmartGlassはソニーPlayStation Mobile SDKと同じく今年後半にリリースされる予定。
また、Xbox専用のInternet Explorerも登場する。スマートフォンやタブレットでXboxを介してテレビディスプレイでWebブラウジングやXboxダッシュボードへの書き込みなどができるようになる。
さらにXbox Musicという登録制のミュージックダウンロードサービスも開始する。これは昨年春に始めたZuneデジタルミュージックサービスの後継サービスという位置づけになる。Xboxでは一層のテレビコンテンツの対応に勤しんでいる。E3では、スポーツ番組として、ESPNやNBA.comとの提携のほか、この先1年間で提携するコンテンツ配給会社を発表した。国内では楽天ショウタイムが含まれている。
(山下香欧)