ソニービジネスソリューション株式会社は、6月7日(木)品川ソニー本社ビルにて、「2012映像制作機器 新商品内見会」を開催した。NAB Show 2012で発表された新しい出展商品を中心に実機展示や解説が行われた。
NABから2ヶ月以上経つが、ソニーが映像業界に与える影響は大きく、多くの人が参加。NABで発表され、得た情報を実際に確かめようとする人で会場が埋め尽くされていた。NAB同様、CineAltaカメラF65で撮影した4K映像の4Kシアター上映に注目が集まったのは言うまでもない。
最近の特徴でもあるが、新製品のアナウンスから発売までのスパンが短くなった事が上げられる。今回も同様、アナウンス後、即発売になったものも多い。CCDをCMOSに変えてコストダウンを図ったXDCAM HD422カムコーダー PDW-680もその一つ。CMOSになったことで高感度と低ノイズを実現している。
XDCAM Stationは販売開始から一年が経ち、新しくバージョンが2.0になる。そのタイミングに合わせてリニア編集に対応するなど新機能が追加された。これは今年のロンドンオリンピックでも多数導入される予定。日本で発売予定は2012年9月末を予定している。
XDCAMシリーズ初となる小型タイプのXDCAM HD422カムコーダーPMW-100も5月から出荷が始まっている。
旋回型リモートカメラのBRC-H900は今までは感度が悪く、暗いと言われていたが、1/2型の大きなセンサーを持つことでF10の高感度を実現し、低ノイズで明るく撮影可能になったフラグシップモデル。北米ではチャペルや学校などで導入されている。
今月発売になる、注目のNEX-FS700J。昨年発売されたFS100Jの上位モデルの位置付けになるカメラだ。Eマウントでありながら、待望のNDフィルターを搭載しているというのが特徴だ。将来的に4K出力にも対応するという。高速読み出しが可能で、10倍スローまでFull HDで撮影が可能。ハイスピード撮影がFS700J一台で実現できるメリットは非常に大きい。この他、空間光学手ブレ補正を搭載したHXR-NX30Jにも注目したい。
デジタルシネマ・カメラの最高峰F65バージョン1.5へ
F65は新バージョンの1.5となり、これまでのF65RAWデータ記録だけでなくHD記録も可能に。新バージョンではF65RAW-Lite記録にも対応し、ビットレートを3/5程度に軽量化した1.2Gbpsのデータに抑えることで、限られたメモリの中で長時間記録することも可能だ。
SRMASTER関係ではSR-D1というメモリードライブユニットが夏に発売される予定。価格は現段階で未定。
開発、技術展示として発表され、解説にも多くの人が聞き入っていたのがIP伝送システムNXL-IP55。今冬の発売を予定している。
実際に近くでモニターを確認すると、遅延が非常に少なく画質の劣化も視認できないほどだ。それぞれのカメラをつなぐケーブルや面倒な配線も少なく済むため、野外での中継撮影や既にLANが通っている施設内での活用例が紹介された。