米Microsoftは7月9日(現地時間)、大型マルチタッチディスプレイを主力製品とする米Perceptive Pixel(PPI)を買収することを発表した。買収金額などの条件については明らかにしていない。

PPIは、2006年にマルチタッチ技術の先駆者であるジェフ・ハン氏が米ニューヨーク州にて立ち上げた。2007年に最初のマルチタッチワークステーションを出荷。2008年の米大統領選報道ではCNNをはじめとする報道機関が採用したことにより、PPIの名前が拡がった。同社の特許技術は政府や防衛関連、放送、エネルギー開発、エンジニアリング、高等教育など、さまざまな分野で使われている。

Microsoftは、Microsoft Office部門の各種製品とPPIの技術との相互運用性に取り組むという。2月にバルセロナで開催されたモバイル世界会議にて、マイクロソフトは次期OSであるWindows8のライブデモを、PPIのタッチ式・大スクリーンを起用して行っていた。Windows8はタッチ入力機能がある新しいインターフェースMetroにより、タッチスクリーンとの親和性が非常に良い。

Microsoft Office担当副社長であるカート・デルベーネ氏は、「PPIの大型タッチディスプレイと当社OEMのハードウエアを組み合わせることで、次期OS『Windows 8』を搭載した強力なパソコンを構成できる」と述べている。

米メディアでは、今回の買収によりMicrosoftは、オンライン会議の機能を持つ「Lync」とインテグレートさせて、エンタープライズコラボレーション市場でCiscoと対抗するだろうともみている。

(山下香欧)