米Googleが7月26日(現地時間)、米国の限定地域で通信速度が毎秒1ギガビットの超高速ファイバーサービス「Google Fiber」を本格的に開始することを発表した。同時にGoogle Fiberを通じて映像コンテンツを提供するCATVサービスにも乗り出す。これらサービスは、光ファイバー網を敷設し試験をしていた中西部のカンザスおよびミズーリ州のカンザスシティ地域から9月初めに開始される。

超高速ブロードバンド環境を各家庭に整えるべく「Fiberhood(近所=neighborhoodを文字ったもの)」を提唱し、自宅近辺で多くの登録があったエリアが優先的にサービス開通となると説明している。Googleの計画は本来の予定よりもインフラを整えるところから大幅に遅れていた。今年に入って同社は遅れを取り戻すことも一理に、AT&Tと同社の電柱を使用する許可をもらい、管路し家庭へファイバー網を引くエッジシステムを開発してきた。3月に入ってようやくミズーリ州公共サービス委員会からサービス提供の承認を獲得。

Googleでは、GoogleファイバーTV、Google Fiberとネクサスタブレットをパッケージにして月120ドルで提供する。高速インターネットだけのサービスは月70ドル。工事費は300ドルだが2年契約をすれば、工事費は無料になるという。

インターネットTVサービスでは加入者に8チューナーが搭載されたゲートウェイサーバを配布して開始する。ハードデスクの許容量が2TBで、HD番組で500時間は録れる。マルチチューナー実装で、タブレット端末やスマートフォンといったモバイル端末への映像配信にも対応する予定という。発表同日にカンザスシティで行われた記者会見では、ネクサス7タブレットを使ってリモートコントロールや、音声認識を使ってチャンネルを変えたり、見たい番組を検索する模様をデモンストレーションした。

地域には既にAT&Tが展開するU-verseTVやタイムワーナーケーブルが浸透しており、今回のGoogleのケーブル事業参入は彼らと真っ向に対抗する。AT&Tは今春には同社のU-verseTVサービスと高速インターネットサービスの加入者をカンザスシティ地域で40万世帯までに伸ばしている。

(山下香欧)