住友スリーエム株式会社は8月1日に、広告や製品パッケージ、ウェブサイト、また店内の棚割など多岐にわたるデザインやレイアウトの効果をオンライン上で瞬時に検証できる、「3MTM! 視線予測サービス(VAS:Visual Attention Service)」の日本語版をリリースした。
VASは米3Mが道路標識や反射材などの工業デザインで培った「ビジョンサイエンス」の研究を基にしているという。2010年6月より米国で提供を開始している。対象となる広告やWebサイト、商品パッケージ、店頭棚割りなどの写真から、最初の数秒間の視線の動きを瞬時に予測し、「ヒートマップ」「視線トラッキングチャート」といった4種類の解析レポートを提供する。
今までの効果検証方法には、アイ・トラッキングと呼ばれる実測手法があったが、特殊な装置と被験者を必要とするため、1ヵ月程度の時間とコストが必要となる。VASは、ソフトウェアのインストールや特別なハードウェアの管理も不要なクラウド型。カメラ付きのスマートフォンなどで解析が行えてしまう。精度はアイ・トラッキングに比べ80~90%とやや劣るものの、リアルタイムで検証が行える手軽さのメリットは大きい。
解析に必要な無料アプリはiOS版とAndroid版を用意しており、App Store/Google Playで「3M VAS」というキーワードで検索すればダウンロードできる。新規ユーザーは5回まで無料解析を利用可能。そのあとは1回当たり14.99ドルから。定額プランや法人向けの価格も用意されている。
(山下香欧)