マルチスクリーン向けヘッドエンドシステムで知られる米envivio社(エンビビオ社)は、IBC2012を前に独自H.264トランスコードソフトウェア「Envivio Muse」のオンデマンド向け新バージョンを発表した。IBC2012では同社ブースにて、ライブ用ヘッドエンドシステムなどと一緒に一般初公開する。(ブーススタンド番号:1.D73)
今回発表されたオンデマンド用トランスコーダソフトウェア「Envivio Muse On-Demand」のバージョンは3.50である。同社研究開発側で行った独自検証では、ファイルからファイルへのフォーマット変換処理の速度が現行よりも35%ほど高速な上、20%ほど優れた映像クオリティを生成できる結果が出たという。
同社では、今回のエンコード処理速度の向上により、コンテンツ制作者やサービスプロバイダの設備投資や運用側にかかる時間と作業の負担を軽減できるとしている。Muse On-Demandは現行でも実時間の最大12倍速という、オフラインでのトランスコード速度を実現するという。
Envivio Museソフトウェアは、同社独自のハードウェアに実装された「Envivio 4Caster」アプライアンスのほか、大規模なシステムではHP社製ブレードサーバに搭載し、ライブおよびオン-デマンドビデオサービスのヘッドエンドシステムとして構築することができる。
Envivio社は最近のTV Everywhere構想の市場トレンドに乗り、世界規模で採用実績を広げている。4大米国ケーブル事業者のうち3社が、マルチスクリーンTVサービスのシステムとして採用しているという。
(山下香欧)