アブダビにあるニュース番組チャンネル、Sky News Arabia(スカイニュース・アラビア)と、ノルウェーにある放送事業者のViaplay(ビアプレイ)では、米エンビビオ社のオーバー・ザ・トップ(OTT)向けエンコード・ソリューションを採用してサービスを展開しているという。エンビビオの発表によると、スカイニュース・アラビアでは、PCやタブレット、スマートフォンといったモバイルデバイスへのライブストリーミング配信用システムに、ビアプレイでは、映画やテレビ番組そしてスポーツ番組をセット・トップ・ボックス(STB)経由でストリーミング配信するシステムにおいて採用された。
スカイニュース・アラビアは、アブダビ・メディア・インベストメント社(ADMIC)と英国放送事業者BSkyBの合弁会社で、24時間体制でニュース番組を提供している。2012年5月現在、同社の番組は衛星やケーブルサービス加入者5000万世帯へマルチスクリーンTV展開されている。
ビアプレイは、無料TV、有料TVおよびラジオやコンテンツ制作事業など、国際的に放送事業展開を行っているモダンタイムス・グループの傘下。ビアプレイの新サービスは、リニア放送をSTB経由でOTT配信するという、ヨーロッパにおいて最大規模の有料TVプロジェクトであったという。ハイブリッドなSTBを使ってOTTサービスを行うのは、北欧でもビアプレイが初という。プレミア加入者に、オプションサービスとして低価格のSTB「Viaplay Box」を提供し、視聴端末のPCやSTBに、Microsoft Smooth Streaming技術でストリーミング配信する。
エンビビオのソフトウェアベースの『Muse Live』エンコーダ を搭載した『4Caster C4 Gen III』アプライアンスで、リニア番組をライブエンコードして、IPでSTBへストリーミング配信している。
エンビビオのヘッドエンドソリューションは、テレコムの世界規模トップ10社中8社、ブロードバンド事業者のトップ10社中9社、そして4大米国ケーブルオペレーターのうち3社を含む300社以上に採用されているという。
またエンビビオは10月17日から米フロリダで開催される恒例のケーブル技術エキスポ「SCTE Cable-Tec Expo 2012」にて、IBCに引き続き、次世代トランスコード/エンコードアプライアンス「4Caster G4」を出展する。更にOTTの次世代有力フォーマットとなるMPEG-DASHおよびHEVC(H.265)による技術参考展示や、放送事業者およびケーブル事業者のマルチスクリーンTVサービスのマネタイジングに欠かせない、セカンドスクリーン向けの広告挿入技術などを紹介する。
(山下香欧)