データダイレクト・ネットワークス・ジャパン(DDN)は、InterBEE 2012において、トップラインの最新ストレージシステムを展示している(ホール7/#7047)。”DDN”という名称で放送事業者の間でも浸透したストレージブランドにとって、今回のInterBEEは初出展だ。

ブースに設けられたミニステージでは、同社主力製品の説明から放送プロダクション、ポストプロダクション用途に合わせたアプリケーションやスケーラブルに地理的分散が可能なクラウドストレージ・アプライアンスWeb Object Scaler (WOS) について紹介している。

DDNシステムは、グリッドおよびSAN/NASのファイルストレージ構築を持ち合わせている。ブースにおいてライブデモンストレーションは行なわれていないが、実機は展示されている。ラックに組み込まれて展示しているストレージシステムは、今年出荷が始まった最新SFA12Kアプライアンス・シリーズの最高峰「SFA12K-40」で、2台のコントローラに各ストレージモデルSS7000(60スロットタイプ) 、ハイデンシティ・ストレージ拡張ユニットStorageScaler 8460 (SS8460)が積まれている。

両ストレージエンクロージャも4RUサイズで、例えばSS8460ではディスクを84基実装できるようになっており、データセンターのラックスペースを従来の半分以下で収めることができる。SFA12K-40には32x16Gb/sファイバチャンネルが実装されている。ストレージは1、5、6のRAID設定が可能で、960Gb/sものSAS搭載システムで制御できるほか、SATA、SSDにも対応、システムあたり最大1680まで(6.72PB)搭載可能となっている。

DDNシステムのストレージアレイの構成は、デイジーチェーンやスイッチングを使わずにSFAとダイレクトに接続するのも特徴の一つである。最大ブロックI/O、データI/Oとも業界比類ないベンチマークで、ホストスループットは最大40Gb/s(raw)、キャッシュIOPSは1.7Mというパフォーマンスを発揮する。

数多くの民放局やポストプロダクションに採用された実績をもとに、ブースではファイルベース環境でのワークフロー事例として、フィルムスキャンを含むデータインジェストから、マルチプラットフォームの編集システムとのダイレクトなデータ転送、およびWOS経由の配信までを担うセントラルストレージとしてアプローチしている。

(山下香欧)