9月に開催されたIFAにて、ソニー社から世界に先行して発表された、84V型4K対応液晶テレビ「ブラビア」(モデル:XBR-84X900(米国)/ KD-84X9000(日本))は、先行予約分がそろそろ出荷の時期となった。ソニーが謳う「the world’s first 4K Ultra HD delivery solution」を担い、4Kブラビアには4K画質のハリウッド映画が同梱されてくるという。
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ソニーでは、4Kホームシアター向けに、4Kブラビアを始め、4KプロジェクターVPL-VW1000ES、そしてブルーレイディスクプレイヤーBDP-S790を揃えている。プロダクション側向けにも、業務用の4Kカメラや、エンターテイメント向けに4Kデジタルシネマ上映ソリューションを提供している。加えてソニーは、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントという自身の制作プロダクションスタジオと配給システムを持ち、『モンスター・ホテル(Hotel Transylvania)』 や『LOOPER/ルーパー』、『スカイフォール』といった最新の映画作品は4Kで制作されている。またソニーの4Kデジタルシネマプロジェクションシステムを導入している映画館ならば、4Kクオリティのコンテンツがあれば上映することも可能となっている。他社メーカーにはない、有利な4Kエコシステムを整えつつあるといえる。

事実、LGの4KウルトラHDTV「84LM9600」は定価19,999ドルと、ソニー製と比較して5000ドルほど低価格で市場に投入している。サムスンでは85インチクラスを、そして中国メーカー Hisenseから 「XT880」など、2013年のCESでは各社メーカーから4KウルトラHD TVが揃って披露される予定だ。

こういった市場競合を踏まえ、ソニーとしては、差分の価値をアプローチするためにも、また、市場にネイティブな4Kコンテンツが少ないことから、本物の4Kクオリティをユーザーに体感してもらうためにも、4Kブラビアにソニーピクチャーズエンターテイメントが制作した4Kのハリウッド映画作品を同梱して差別化を図る。

4Kプロダクションとしては、3net StudiosのほかにもBBCやBSkyBが試験的に4Kで放送収録を始めている。米国ではFoxスポーツがNFL試合の中継にて、ソニー社製4Kカメラ「CineAlta F65」を現場で用いてインスタントリプレイを行っている。

(山下香欧)