ローランド株式会社は、コンパクトビデオミキサー「V-4EX」を発表した。発売時期は2013年3月中旬、メーカー希望小売価格は税込み189,000円。

V-4EXは、HDMI入出力に対応したコンパクトなビデオミキサー。4つのチャンネルに合計10種類の映像を入力し、最大3系統に出力が行える。入力信号はHDMI/コンポジット/RGB/S-ビデオ、出力信号はHDMI/コンポジット/RGB。同社では、従来機種のビデオミキサー「V-4」「V-8」の使いやすさを受け継ぎつつ、ミキシングエンジンのプログレッシブ化とデジタル入出力により、大幅に画質を向上させたとしている。

従来モデルとの比較

従来モデルとの比較 背面パネル

HDMIとRGBは最大でWUXGA(1920×1200)までの信号が入力可能だが、内部処理は480/59.94p(PAL設定時は576/50p)で行われる。HDMIとRGBからは最大でWUXGA(1920×1200)までアップコンバート出力が可能だ。なおHDMI入力時にはHDCPモードを使うことでHDCPで暗号化された映像ソースの切り替えや合成も行えるが、その場合はHDMI出力のみに制限される。入力CH4にはスケーラーを搭載しており、480p以外の信号フォーマットを480pに変換して入力できる。

4チャンネルすべてにフレーム・シンクロナイザー(FS)を搭載しており、ノイズのないシームレスなスイッチングが行える。タッチ・モニターで接続設定の変更を直感的に操作できるので、VJなどシーンにあわせて接続を変えていくようなパフォーマンスで利用できる。

V-4EX 背面

V-4EX 背面パネル

切り替えエフェクトはミックス、カット、ワイプなど259種類、ピクチャエフェクトはピクチャーインピクチャー、ルミナンスキー、クロマキー、ストロボ、ネガ、カラライズ、フィードバック、エンボス、マルチ、ミラーなど148種類を内蔵。アウトプットフェードやフリーズも利用できる。

オーディオ・エンベデッド機能も搭載し、アナログ音声のソース機器を接続して、HDMI端子およびUSB端子から映像と音声を同時に出力することもできる。最大4フレームまで調整可能なオーディオ・ディレイも搭載している。

MIDI Visual Controlにも対応。MIDI接続により複数のV-4EXを同期したり、他の機器からV-4EXをコントロールすることも可能だ。たとえば同社のデジタルミキサー「M-200i」とMIDIで接続した場合、V-4EXの映像切り替えにあわせてM-200iのフェーダーを追従させることができる。ビデオ・プレゼンター「PR-80/50(PRシリーズ)」ではPRシリーズの動画再生にあわせた入力自動切り替えや、スケジューラーでの自動化が行える。MIDI Visual Control対応の楽器をMIDIで接続し、演奏に合わせて映像をコントロールすることも可能だ。

その他、USBストリーム出力に対応しており、パソコンをUSBケーブルで接続することでライブ配信やレコーディングなども可能だ。USBストリーム出力のフォーマットは解像度720×480ピクセル(29.97fps/Motion JPEG)、音声16bit(48kHz/リニアPCM)固定。

また、同社が無償提供するアプリケーション「Video Capture for VR」(対応OS:Windows Vista/7)を利用し、V-4EXとUSB接続したWindows PCで、V-4EXから出力された映像/音声をキャプチャして、動画はMOV(QuickTime形式)、静止画はBMPファイルとして保存できる。