Blackmagic Designの発表によると、英国の男性5人組グループOne Directionの「Take Me Home」ツアーにおいて、Audiotech ServicesがBlackmagic Designの製品をベースとしたAV制御システムを提供しているという。このシステムにはATEM 2 M/E Production Switcher、ATEM 2 M/E Broadcast Panel、Videohubルーター、およびSmartView Duoが含まれている。

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オーストラリア、アジア、ヨーロッパ、北米で120公演に及ぶこのコンサートツアーは、一日で30万枚のチケットを売り上げたという人気の公演だ。各公演で使用される大量の映像は、Audiotechが提供するラックマウント式AVコントロールシステムで制御されており、フルHDのモニタリング、収録、8系統のライブカメラ入力、静止画再生、ライブHDストリーミングが行える。このシステムの核となるのは、Blackmagic Designの ATEM 2 M/E Production Switcher、ATEM 2 M/E Broadcast Panel、8Uラックサイズに入力72系統、出力144系統、デッキコントロールポート72系統を装備したBroadcast Videohubルーターだ。

毎公演、ステージ上のLEDスクリーンとCGエフェクトによる背景幕が作られ、メインステージの左右に設置されたLEDスクリーンにライブカメラの中継映像が表示される。7台のHD-SDIカメラはステージパフォーマンスを撮影し、さらに7台のミニカメラをステージ上に配置。カメラソースはBroadcast Videohubを使ってルーティングされ、SDIでATEM 2 M/E Production Switcherに送られる。信号はATEM 2 M/E Broadcast Panelでミックスされる。ATEM 2 M/E Production Switcherからのプログラム出力はルーティングされ、SDIをDVIに変換し二面のLEDスクリーンに表示される。

Audiotech Servicesのビデオ・ディレクター トーマス・レヴィット氏:
One Directionのツアー用の映像システムをSDIルーターやATEMスイッチャーなしで運用することは考えられません。このシステムではパッチ盤を使ってケーブルを抜き差ししなくて済むので、本当に楽です。Telnetでログインしてコマンドを送れば シリアルやイーサネットで制御できます。さらにiPadアプリでも制御できるんです。もし、コンサート中の特定の場面で信号を切り替えたい場合も、Telnetで簡単に統合できます。すべてネットワーク経由でオートメーション化できるのです。

このツアー公演のためにATEM 2 M/E Production Switcherを導入したレヴィット氏は、豊富な機能とコントロールパネルだけでなく、1ラインしかないビデオの遅延も重要な決め手だったという。レヴィット氏は「1フレから4フレくらいの遅延がある他のスイッチャーと比べてとても速く、ATEMの大きな利点です」とコメントしている。