株式会社ジュピターテレコム(J:COM)とジュピターエンタテインメント株式会社(JE)が開発した、ケーブル事業者に提供するIPベースのVODサービス「milplus(みるプラス)」を、全国11のケーブルテレビ事業者が採用したと発表した。採用するケーブルテレビ事業者は来春までにサービスを開始する。milplusを最初に採用したのは三重県、滋賀県、和歌山県の30市町でサービスを展開しているZTV。予定では2013年8月1日からZTVの加入者を対象にサービスを開始する。
milplusはIPベースとすることで、ケーブル事業者側が開発費用をかけることなく、素早くVODサービスを提供できるのが利点という。現在は専用のIP STBを追加することが必要。視聴者はテレビ、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの各種端末で様々なジャンルのコンテンツを視聴できる。またスポーツ試合番組はライブで視聴できるという。このほか、多チャンネル放送で見逃した番組の一部を視聴できる。milplusでは、番組ごとに購入できる約1万本のコンテンツ(105円~)のほか、5000本以上の番組を定額で視聴できる「見放題パックプライム」(月額980円)、アニメやスポーツなどジャンルに特化した「ジャンルパック」(月額1050~2400円)などを用意。画質は番組によってHD(720p)もしくはSDとなる。
さらに同日、KDDI開発のSTB「Smart TV Box(ハードウェアはパナソニック製)」でも今秋から、milplusが視聴できるようになることが明らかになった。今回の対応により、Smart TV Boxを持つ加入者ならば、専用IP STBを使わずにCATVの多チャンネル放送サービスとVODの両方が利用できるようになる。
J:COMではmilplusをケーブル業界全体の競争力強化に資するサービスと位置づけて、プラットフォーム事業者としての取り組みを予定している日本デジタル配信株式会社(JDS)とも協力しながら、ケーブルテレビ・プラットフォームの早期実現に貢献し、業界の発展を図っていくという。
(山下香欧)