中国有数の電機メーカーHisense(ハイセンス、海信グループ)では、年内に新しい4K UHDTVシリーズを米国市場で発売する予定だ。現在も50型の4K UHDTVを2000ドルで店頭販売しており、他中国テレビメーカーらと揃って低価格をアプローチしている。
新しいシリーズには、50型、58型と65型が予定されており、その中では、米StreamTV Networks社が開発するUltra-D技術を搭載した裸眼3D対応の4K UHDTVも準備されるとのこと。裸眼で立体3Dが視聴できる4K UHDTVとしては、東芝が2011年12月に発売開始した、デュアルコアプロセッサを2基搭載している「REGZA 55X3」(RZ1:海外では2012年初夏に発売開始)が知られるほか、今年の初めに米ラスベガスで開催されたCESでは、VIZIO社そしてStreamTV Networksが提携パートナーブースにてデモンストレーションを行っている。
StreamTV Networksの開発するUltra-D技術は、2Dから3Dの変換をリアルタイムで処理できるため、ハイセンスから発売される4K UHDTVでは、Blu-rayの映画コンテンツを4K解像度+立体3Dで、それも通常のテレビを視聴する環境のまま楽しむことができるようになる。ハイセンスのディスプレイはバックライト式(直下型方式)だが、Ultra-D技術は直下型でも問題なく対応できるとしている。視聴角度に制限がなく、どの視聴角度からも3D立体を体験できるという。
StreamTV Networksでは、4K有機ELディスプレイや、空間上に映像を投影するホログラフィック・ディスプレイといった次世代ディスプレイへの対応にも取り組んでいく方針だ。同社は、ハイセンスのほかにも、7月には英国有数のホームエンターテイメント企業であるArmourグループと技術的提携を結んでいる。Armour社の今後のUHDTVや外部デバイスでの高精細解像度へのアップスケーリング技術を提供する。
(山下香欧)