映像に関わるすべてのソリューションを展開する方向へ
「Beyond Definition 進化・創造・挑戦」をテーマに、CineAlta4KカメラPMW-F55や4K対応のマルチフォーマットスイッチャーMVS-3000A、マルチポートAVストレージユニットPWS-4400などのHD/4Kライブ制作ソリューションや、XDCAMメモリーカムコーダーやXDCAM Stationを中心とした収録・編集・送出システム、オプティカルディスクアーカイブドライブユニットODS-D77Uなど、XDCAMフォーマットによるファイルベースソリューションを中心にブース内では展示が行われており、すでに運用が開始されて久しいHDシステムの多様化に対応すべく、カメラを始めとした制作機材からストレージ、アーカイブに至るまでのワークフロー上に必要な機材の充実とともにHDから4Kへの移行、デジタルシネマ機材へと現在から将来、更には放送の枠を超えたシステムと製品の幅を広げており、映像に関わるすべてのソリューションを展開する方向のようだ。ただ、8Kに対してはもう少し規格が固まってからということで、慎重な対応をしていくということであった。
XDCAMメモリーカムコーダーPMW-300。EXマウントを採用しており、レンズ交換が可能なほか、別売のアダプターにより2/3バヨネットマウントレンズの装着も可能。記録ビットレート50MbpsのフルHD 4:2:2サンプリングに対応。XAVCフォーマットも対応
4K/2K RAW記録に対応したNXCAMカムコーダーNEX-FS700R。オプションのインターフェースユニットHXR-IFR5とRAWレコーダーAXS-R5により、4K/2K RAW記録ができる。センサーは4K Exmor Super35 CMOSセンサーで、Eマウントシステムを採用
カメラとしては、NAB以降発表・発売された4K対応のXDCAM小型ビデオカメラPXW-Z100や、年内発売予定のレンズ交換式小型HDビデオカメラPMW-300K2のほか、中継などの制作用カメラとして、光ファイバー伝送に対応したHSC-300RF、トライアックス対応のHSC-100Rなどが出展されたほか、PMW-F55に装着することで、4Kの映像信号を最大2kmまで伝送できるカメラシステムアダプターCA-4000や、カメラコントロールユニットHDCU-2000と組み合わせて細かな映像調整を可能とするベースバンドプロセッサーBPU-4000などのHD、4K対応の制作機器が出展された。
また、ポータブルストレージとして収録した映像データの一時保存や、受け渡しに便利な業務用ストレージメディアPSZ-SA25、PSZ-HA1T、PSZ-HA50や4chの4K/HD記録ができるマルチポートサーバーPWS-4400といったストレージ系、オプティカルドライブユニットODS-D77U/Fと仏Dalet Digital Media Systems社のメディアアセットマネジメントシステムを組み合わせたオプティカルディスクアーカイブシステムなど撮影後のワークフローの充実が図られている。
光ファイバーにより最大2kmまで延長可能なHDカメラシステムHSC-300RF
トライアックスタイプHSC-300Rも用意されており、既存の敷設や運用形態により選択可能となっている。撮像素子は2/3型220万画素CCDで、S/N比の向上やスミアレベルの低減、16ビットA/Dコンバーターの採用のほか、収差補正対応レンズ使用時に倍率色収差を低減するALAC(Auto Lens Aberration Compensation)2.0を搭載している。ニーサチュレーション、ローキーサチュレーション、複数のガンマテーブルなどに加え、マトリックス演算係数を適宜制御するアダプティブ・マトリックス機能を搭載することで、コンサートや舞台など強い単色青光源下での撮影で威力を発揮する。
4Kライブ制作や大判センサーの表現力を活かした番組中継システム
PMW-F55装着するカメラシステムアダプターCA-4000とカメラコントロールユニットHDCU-2000と組み合わせて4Kの映像調整をリアルタイムで行うことができる。また、リモコンや、インカムやリターン映像などのシステムインターフェースにHDCU-2000をそのまま活用できるので、既存のHDC-2000との混在運用はもちろん、HDシステムから、4Kによる大判制作への拡張も可能。
業務用ポータブルストレージPSZ-SA25、PSZ-HA1T、PSZ-HA50
収録素材の一時保存やデータ受け渡しなどに便利なPC外付けストレージメディアとなっており、用途によってSSDタイプのPSZ-SA25や、HDDタイプのPSZ-HA1T、PSZ-HA50がラインナップされている。USB 3.0とFireWire 800インターフェースを装備しており、SSDタイプで最大400MB、HDDタイプで最大120MBのデータ転送が可能なほか、耐衝撃設計とシリコンカバーやハードケースで保護することで、耐落下衝撃性能の向上が図られている。
4K×4ch対応のマルチポートサーバーPWS-4400
ファイルはXAVCフォーマットとなっており、4K制作時でも編集作業が簡便に行えるほか、タッチパネルによる直感的な操作および付属のコントローラーによる操作も可能で、4KでもHDでもスムーズな操作でライブ制作を行う事ができる。
オプティカルドライブユニットODS-D77U/F&メディアアセットマネジメントシステム
12枚の光ディスクを内蔵したカートリッジ(ODC1500R)に1.5TBの記録が可能で、カートシステムなどと組み合わせることで、最大802.5TBのライブラリーシステムとすることが可能。データ転送速度は約1Gbpsで、2013年2月に発売したアーカイブシステムより2倍の高速化を実現した。操作は画面の左にあるファイルフォルダーから右のフォルダーへドラッグ&ドロップするだけで簡単に行うことができる。また、メディアの耐久性や信頼性のほか、将来にわたっての世代互換性を有しているという。
A型ワイヤレスマイクの新周波数帯に対応したデジタルワイヤレスマイクロホンシステムDWXシリーズ
A型デジタルワイヤレストランスミッターDWT-B01N/GとデジタルワイヤレスマイクロホンDWM-02N/G、1.2GHz帯、ホワイトスペース帯(638-710MHz)、710-714MHz帯、現行B帯の周波数帯域をカバーする2ch対応のラックマウントレシーバーDWR-R02DN/G。送信機をリモートコントロールすることが可能なほか、付属のコントロールソフトウェアWireless Studioにより、使用する帯域をサーチし、空いている候補チャンネルを表示するチャンネルプランアドバイザー機能をもつ。
30型4K有機ELモニター(技術展示)
同社ではカメラを初め様々な4K制作システムを発売しているが、マスモニとして使えるモニターがなかった。DCIやRec.709系のガンマや3G-SDIやHDMIと言ったインターフェース、画像エンジンなどの作りこみを行っている最中とのことで、来年度中の製品化を目指しているという。