米カペラシステムズは、1人のオペレータで運用可能なオールインワン・ライブ配信システム「Cambria Live Studio」をInterBEE2013にて積極的にアプローチ、クロマキースタジオを設けてデモンストレーションを行った。

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「CHZ-360-PTR」

本システムは、3軸雲台を実装したバーチャル・マルチビューカメラ「CHZ-360-PTR」と標準装備し、最大6台のカメラソースまで対応できるライブストリーミング放送システム。インターネットライブ配信システム「Cambria Live」をベースに、必要なライブプロダクション機能を網羅しつつ、高品質なクロマキー合成や、1ソースから任意の位置を切り出してクリップリストに登録してマルチカメラ的な演出が行える。2台のバーチャル・マルチビューカメラに、SDI接続のビデオカメラを最大4台まで追加することで最大6チャンネルのマルチカメラ運用まで可能だ。バーチャル・マルチビューカメラは、レンズが回転するローテーション機能に加え、パン/チルト/ロールが可能な3軸雲台との一体型になっている。

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編集機能の中で醍醐味なのは、ライブ配信中でもIn/Out点を設定してハイライトクリップが作成できることだ。素材リストに登録して本番放送終了後もダイジェストやハイライトとして自動で再配信できる。またプレイリスト機能にも対応し、登録クリップの配信、静止画クリップやCMクリップとの組み合わせでの配信も行える。ライブ配信には、H.264で内部エンコードし、YouTubeやUstream、Adobe Flash Media、Wowzaなどマルチストリーミングサーバ、またはRTP/UDP経由の簡単操作で伝送できる。

Cambria Liveは、ライブプロダクションを強化したオールインワン型システムのほかにも、番組自動配信とUDP IPに対応した「Cambria Live Broadcast」や、時差編集ソフトウェア「Clip Cutter」と、ファイル変換システム「Cambria FTC」の組み合わせによる、放送局やケーブル事業者向けのストリーミング配信システムが構築できる。収録を止めることなくClip Cutterで次々とカット編集を行ってクリップを作成することで、即座のダイジェスト映像・配信が行え、そのままカットポイントのタイムコード情報をCambria FTCが読み込んで任意のフォーマットに変換するといったワークフローが可能になる。Clip Cutterは、ライブプロダクションのオペレータが馴染んだ、シンプルなJogコントローラで操作も行える。

131118_clipcutter_MBS.jpg 毎日放送での導入例
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毎日放送では、Cambria Liveをコアに、Clip CutterとCambria FTCを組み込み、2013年春の選抜高校野球大会のインターネットライブ放送とVOD視聴サービスを実現した。時差編集を活用し、試合の最中でもハイライトシーンを随時VODとして更新することを可能にしたという。

(山下香欧)