朋栄ブース 4Kソリューションを展開
フル4K バリアブルフレームレートカメラ「FT-ONE」
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フル4K解像度でのスーパースロー撮影が可能な高速度カメラ「FT-ONE」
注目は4Kで最大で秒間900コマまでの撮影ができるバリアブルフレームレートカメラ「FT-ONE」だ。ブースではカメラステージが設けられていて、その中でダンサーが踊るシーンを撮影して、即スローモーションで確認ができるというようなデモが行われていた。最大900コマまでの撮影が可能で、速度可変にも対応する。
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秒間900コマで4K撮影できる時間は9.4秒。9.4秒撮影したら中のメモリを書き出すのだが、その方法は2種類ある。1つはカメラに内蔵されているSSDカートリッジを取り出してカートリッジドッキングステーション「FT-1CDS」を使って転送する方法。もう1つはカメラの中に記録した9.4秒分の映像をQFHDの4チャンネルの3G-SDI信号としてカメラから出力する方法だ。デモに使われていたFT-ONEはSDIモデルのほか、新しく登場したカメラで撮った信号をQFHDの信号を光ファイバーで伝送できるシステムを内蔵したモデル光ファイバー搭載モデル「FT-ONE-OPT」も実演が行われていた。
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カメラコーナーでは、ステージ上で踊るダンサーを4Kのハイスピードで撮影するデモが行われていた
FT-ONE-OPTは1kmまでならば電源供給が可能という特徴をもっている。電源を使わない場合は2kmまで映像伝送が可能だ。切り出し装置も展示されていて、4Kで撮影された映像の中から、「ここがほしい」というHDに相当するエリアを選択すると、その部分をHD信号として出力ができる。現状のHDのインフラにもすぐに使えるのもポイントだ。
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右からリモートコントロールユニットの「FT-1RU」、リモートコントロールパネルの「FT-1RCP」、長距離の映像伝送が必要な際に使用する「FT-1BS」
FT-ONEが実際に使われている現場の例を聞いてみると、一番多いのはスポーツとのことだ。スポーツのイベントなどを4Kで撮ってパブリックビューイングのような大きな画面で見るとか、放送に使うのであるならばダウンコンバートしたものを出力して使用されているという。特に4Kで撮ったものをHDにダウンコンバートした映像というのはHDで撮った映像よりも綺麗というメリットがあることもアピールしていた。
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下の段の右はFT-ONEの設定をスムーズに行うための専用リモートコントロールユニット「FT-1RU」、左はFT-ONEの映像調整をリアルタイムで遠隔地から行えるリモートコントロールパネル「FT-1RCP」
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右のユニットはFT-ONEのSSDカートリッジと汎用PCをUSB3.0で接続するカートリッジドッキングステーション「FT-1CDS」
HD/SDポータブルビデオスイッチャ「HVS-XT100」「HVS-XT110」
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下がHD/SDポータブルビデオスイッチャ「HVS-XT100」のコントロールパネル。上が本体
スイッチャーの新製品が2モデル展示されていた。2モデルは基本性能はでどちらも一緒で、入出力に若干の違いがある。「HVS-XT100」が本体とコントロールパネル分離型でHANABIシリーズ最小のモデルとなる。HVS-XT100のビデオ入力は標準8系統、ビデオ出力は標準4系統で、本体の拡張スロットで数を増やすことができる。対応カードには、HD/SD-SDI増設やアナログビデオ信号の入力または出力、HDMIまたはVGA端子の増設などの種類がある。
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コンパクトな一体型モデルのHVS-XT110
一方、HVS-XT110は、本体とコントロールパネルの一体型だ。拡張はできないかわりにビデオ入出力は12入力8出力を搭載している。それ以外のキーヤーやDSK、DVEの数などは共通となっている。共通の機能の中で特徴的なのが、Webサーバを内蔵している点だ。GUIコントロールと呼ばれる機能を使って、ネットワーク経由でPCからHVS-XT100/XT110の設定変更が可能だ。例えばだが、HVS-XT100は本体だけの販売の販売を予定していて、コンパネを買わずに本体だけを購入してGUIコントロール機能を使ってスイッチャーをコントロールすることもできる。
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ネットワーク経由でWebブラウザからHVS-XT100やXT110の設定変更が可能だ
マルチチャネルシグナルプロセッサ「FA-1010」
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ビデオ入力×10、出力×10もの多チャネルルーティングが可能なフレームシンクロナイザー
多チャネルルーティング(ビデオ入力x10・出力x10)をも可能にするフレームシンクロナイザー。この筐体に10系統のフレームシンクロナイザーが入っているほかに、カラコレも10系統。なおかつ、ビデオ、オーディオともにクリーンスイッチが可能。もしFA-1010を使わないで別のユニットで組むとなると、ルータが1U、FSが10U、タイムコードジェネレーターが1Uなど合計13Uぐらいにはなってしまうが、それらを1Uに集約できるということで、放送局の方には結構ウケがいいそうだ。
マルチチャネルインジェストプレイアウトサーバ「MBP-500VS」
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初公開されたマルチチャネル対応インジェスト&プレイアウトサーバー「MBP-500VS」シリーズ
ファイルベース関連製品では、マルチチャネルインジェストプレイアウトサーバの「MBP-500VS」がInter BEEで初公開されていた。ビデオのインジェスト、取り込みでも使用できるし、ビデオの送出でも使用できる。どちらでも対応できるファイルベースシステムの核になる製品ということで注目の存在だった。SDI入出力は内部ハードウェアの組み合わせにより、4/8チャネルの入出力構成が可能だ。例えば4つのチャンネルをすべてインプットできたり、アウトプットすることもできる。4つの口を全部インプットにすると、ビデオの信号を並列にファイル化するということができるといった感じだ。また、ラインナップによって異なるが、744GBのSSDを内蔵していて、最大4.3TBまで増設が可能となっている。
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このようなインターフェイスで送出の管理を行う
素材ファイル管理オプションソフトウェア「LTS-MAM」
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「LTS-60」を「LTS-MAM」からアクセスして管理をしている様子
動画素材を管理できるLTOサーバ「LTS-50/LTS-60」の素材ファイル管理オプションソフトウェア「LTS-MAM」が展示されていた。こちらも新製品だ。従来は素材ファイルを管理するのに大きなサーバを買ってネットワークを構築するような大規模なシステムが必要だった。
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こちらは「TS3200」と「LTS-MAM」を接続した例
LTS-MAMを使えばそんなシステムは必要なくなるというもので、「LTS-50」や「LTS-60」とLANに接続されたPC/Mac上のWebブラウザを使ったインターフェイスで素材ファイルの登録、検索、再利用、管理ができるようになるというものだ。特別外に余分な機械を追加することないというのはメリットだろう。部署単位で使うような小規模アーカイブに最適な商品とのことだ。もう少しアーカイブの規模を大きくしたいという場合は、IBM製LTOオートローダーTS3100またはTS3200で拡張できるようになっている。
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テープライブラリーのデモも行われていた
24本のLTOテープを内蔵することができるというものだ。さらにブースには巨大なテープライブラリーというのも展示されていた。ローダーの中を見ると、LTOのテープのドライブがあって、ずらっと並んでいる中からLTOテープを見つけ出してドライブに入れて中の指定の素材を読み出すというデモがおこなわれていた。こちらは、最大2万時間の映像をライブラリに保存できるとのことだ。
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