マルチフォーマットビデオプレゼンター「PR-800HD」

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スポーツイベントやコンサートで非圧縮フルハイビジョンの高画質映像を演出する業務用マルチフォーマットビデオプレゼンター「PR-800HD」

一番の注目はInterBEEで一般に初公開されたマルチフォーマットビデオプレゼンター「PR-800HD」。イベント向けの非圧縮の映像出力機で、最大1080/60pの出力が行える。イベントの映像演出というのはプロジェクターやLEDスクリーンなどを使うことが多くなっており、プログレッシブ化の傾向にある。プログレッシブの映像出しが求められているというわけだ。そこでPR-800HDでは、非圧縮1080/60pのプログレッシブ映像をSDI/HDMIから同時出力可能にしたということだ。

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直感的なユーザーインターフェイスを備えているのも特徴だ

クイックレスポンス再生というのも特徴で、ポン出しのスピードが非常に高速だ。キーボートやマウスのボタンを押すと一瞬で再生できる。実測してみると、3フレと4フレの間ぐらいで、時間でいうと0.1秒だ。従来の普通プレーヤーだと再生してからちょっと待ってという感じだが、それが一発でドンと出るといった感覚に近い。切り替え効果には、映像素材を2つディゾルブでき、フェードアウトなどエフェクトがかけられる。従来ならば、プレーヤーを2個用意してスイッチャーでフェードをするなどしていたものをPR-800HDの中だけでできるわけだ。再生速度の変更も可能で、例えばイベントで映像を出していたら作り込んだ尺とイベントの進行が違ってしまったりすることがある。そういった場合は進行に合わせてスピードをリアルタイムで遅くしたりすることができる。または、逆にまいたりすることも可能だ。イベント業者は必見の周辺機器といえるだろう。

オーディオレコーダー「AR-3000SD」

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オーディオレコーダーの最上位モデル「AR-3000SD」

二番目の注目はオーディオレコーダー「AR-3000SD」。通常の会議などを録るようなオーディオレコーダーではなく、ショッピングモールや空港、イベント会場、交通機関など安定した連続稼働が求められる非常にシビアな現場で録音再生装置として使われているものだ。前モデルがコンパクトフラッシュカード主体だったものに対して、AR-3000SDではSDカードスロットが搭載された。また、細かなスケジュール管理が可能なタイマーが内蔵されたのも特徴だ。端子類ではXLR出力端子やAES/EBU出力端子が搭載され、Ethernetが標準搭載されたところにも注目したい。

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従来のコンパクトフラッシュメモリーカードに加えてSD/SDHCメモリーカード用スロットを搭載した

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背面パネルにはXLR出力端子やAES/EBU出力端子を搭載

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従来の製品はオプションで対応したLANが標準搭載された。速度も速くなっている。本体にはWebサーバー機能が追加されていてLANを経由してPC上での設定や管理が可能。メンテナンス性が上がっているという

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プログラマブルタイマー機能を搭載した。スケジュール再生ができるようになった。従来は外付けのタイマーが必要だったが、AR-3000SDは単体で定時放送に使用できるようなった

ビデオコンバーター「VC-1」シリーズ

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ビデオコンバーター「VC-1シリーズ」のラインナップの1つ。SDI映像と音声信号を入力してHDMI機器に出力する「VC-1-SH」

ビデオコンバーター「VC-1シリーズ」も展示されていた。展示されていたのはスキャンコンバーターの「VC-1-SC」、ビデオオーディオのディレイとフレームシンクロナイザーの「VC-1-DL」、HDMI信号を入力してSDI信号を高品質で出力する「VC-1-HS」、SDI映像と音声信号を入力してHDMI機器に出力する「VC-1-SH」など。すでに発売を開始していることもあり、各機種の詳細については説明する必要もないだろう。そこで今年のInterBEEの会場では、ローランドのコンバーターは他社製品とどういったところが違うのか?ということや、ユーザーからの反響などに焦点を当ててブースのスタッフに聞いてみた。

ローランドのコンバーターの一番のポイントは信頼性と安定性で、この部分は非常に気を使って設計されている。例えば、コンバーターに搭載されるコネクタ1個にしても、他社製品は基盤直付けであったりしているものが多い。しかし、基盤直付けだと抜き差しを繰り返しているうちにコネクタとつながっている基盤を痛めてしまう場合がある。ローランドのコンバーターはシャーシーにコネクタが止めてあって、抜き差しを繰り返しても基盤に影響を及ぼすようなことがないように設計しているという。

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コネクタは基盤に固定されているのではなくて、ケースに固定されているところに注目だ

それから、他社のコンバーターは使い続けると本体もACアダプタも熱くなるものがあるが、最新設計のクーリングを使って熱くならないように配慮しているという。デモでずっと稼動している本体を触ったが確かに熱くなっていなかった。細かいところでは、HDMIの抜け止め防止に対応するビスの穴が付いていたり、電源コードが抜けないようにコードフックがついていて固定できるようなっていたり、トップパネルやボトムパネルの面積が大きくなっていて、フロントパネルやリアパネルのコネクタをカバーするような設計など、かなりきめ細かいところにまで気を使って設計をしているという。

面白いのは、本体を3台セットできるという別売の専用ラックマウントアダプター「RAD-3」。コンバーターとACアダプタを3機配置して1Uのサイズで綺麗にマウントできるというものだ。特にシステムインテグレーターから、「コンバーターをばらばらと置きたくない」「きれいに設置したい」という要望が多く寄せられたことから発売したという。このように、信頼性といった面や扱いやすさという点でシステムインテグレーターの方から高い評価をもらっているということだ。

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HDMIの上にあるビスは抜け止め防止に使うための穴

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コードフックで電源コードの固定が可能になっている。トップパネルやボトムパネルが大きくなっているのはコネクタをカバーするため

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3台のコンバーター本体とACアダプタを固定できる別売の専用ラックマウントアダプター「RAD-3」

信号の変換精度の面では、他社のコンバーターを波形モニタでみるとアンダー0もしくはオーバー100の信号をクリップしてしまうメーカーがあるが、ローランドのコンバーターは上から下まで全部綺麗に信号を出すように設計されているし、画角もまったくずれることなく出力しているという。入力される信号を忠実に変換するというところでの画質、信頼性は非常に自信を持っているという。

ローランドのスタッフがユーザーから聞いた体験談とのことで紹介してくれた話だが、4KのSDI出力4本をローランドのSDIからHDMIのコンバーターを間に使って民生用4Kテレビの変換にも使えたという。当初、他社のSDI to HDMIコンバーターを使ったが問題があり、ローランドのコンバーターに変えたところ問題なく使えたという。忠実に変換をしているからこそ、このような使い方でもうまく使えるのだろう。

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ブースではSDIをHDMIに変換する「VC-1-SH」の信号を波形モニタで確認できるようになっていた

2014年初頭リリースのVer.2のデモを行った「DV-7HD」

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DV-7HDのインターフェイス。この画面に並んでいるボタンを把握すれば操作できるというのが特徴だ。機能の名称などカタカナの映像に関する難しい専門用語が見当たらなくてわかりやすそうな感じだ

DV-7HDのコーナーでは、2014年初頭リリース予定のVer.2のデモも行われていた。最初にいま一度DV-7HDのコンセプトを聞いてみた。DV-7HDは習得するためのエネルギーをなるべく少なくした映像編集システム。学校や、企業の広報など、プロの映像制作者ではない人が業務上で映像制作をしなければいけないという現場で使われているという。また、趣味の世界では映像の撮影会や勉強を行うビデオクラブでよく使われていて、操作が簡単なことからよく選ばれているという。

たくさんの音声素材や映像素材を利用できるのもDV-7HDの特徴の1つだ。他社のソフトでも、素材が入っていることを特徴としているものがあるが、DV-7HDは数と質が違うといった感じだ。音声素材や映像素材に関しては、ローランドはもともと素材集のビジネスをしていて、業務用途素材も多数蓄積している。それらの資産をDV-7HDにそのまま投入しているといった印象だ。当然のことながら権利の所在はローランドにあるが、それを無制限で利用できるように開放している。クオリティが高い素材を、安心して業務上で利用できるというわけだ。収録数は、音の素材に関しては楽曲が200曲、効果音系が100曲、合計300曲入っている。映像素材は、海、山、空、水中、静止画といった素材が1,800個入っているとのこと。

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音声の素材集。音ネタを編集画面の中から選択可能

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映像の素材集。作品の中でちょっと映像を挿入したい場合に追加撮影の必要を省くことができるようになっている

Ver.2のバージョンアップで、一番のポイントは表現力のアップだ。例えば、合成効果に「クロマキー」や「ルミナンスキー」、切り替え効果では「アルファワイプ」、フィルター効果ではモザイクやぼかしが追加される予定だ。モザイクやぼかしは、対象物が動いた場合の追尾はもちろん、複数同時にかけることも可能だ。それ以外の機能アップとしては、フルHDに対応するようになったことだ(出力フォーマットはいままでHDVが上限だった)。そのほかには、スタンダードMIDIファイルを読み込んでWAVに変換してトラックに貼り付けるという機能も搭載予定だという。指定のトラックを減らしたり、テンポを変えたり、音色の差し替えなどにも対応する予定とのことだ。このほか、動画共有サイトへの簡単アップロードボタンというのも搭載予定としている。

販売の形態は引き続き専用ソフトや素材がインストールされた専用PC、コントローラー、マウス、キーボード付属がセットになったターンキーを予定。それ以外の形態は未定とのこと。

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「クロマキー」や「ルミナンスキー」などが追加された。アイコンは仮のものでデザインが変わったりする可能性がある

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アルファワイプの中から渦巻きのような効果を選んで実行したところ

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アルファワイプにはバリエーションがたくさんあり、切り替え効果を設定できる

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モザイクの例

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モザイクを複数設定するようなことも可能だ