ケーブルテレビ最大手の株式会社ジュピターテレコム(J:COM)とジャパンケーブルネット(JCN)、KDDI、住友商事は、19日に行なわれた取締役会において、KDDIより傘下であるJCNの全株式を取得することを決議し、J:COMとKDDIとの間でJCNの株式譲渡契約を締結したことを発表した。これによりJ:COMとJCNは経営統合し、新生J:COMの有料ケーブルテレビ市場のシェアは約53%になる。今回の株式譲渡により、J:COMとJCNは事業統合による規模の拡大とサービス向上による競争力の強化を図る。
実は昨年の10月に開催された取締役会にて住友商事とKDDIは、J:COMの共同運営に関して株主間契約を締結、さらに2013年秋ごろには業界第2位のJCNとJ:COMを統合する計画を公表していた。
J:COMとJCNの統合については、J:COMがJCN株式の全てを取得し、経営統合することに合意。株式譲受けの実行は12月2日を予定しており、2014年4月をめどに、J:COMとJCNを合併する準備を進めるという。
経営統合にあたり、J:COMとJCN、KDDI、住友商事の4社は統合準備委員会を設置し、分野別(事業戦略、商品・メディア、営業、技術、人事・組織、管理)の準備部会などを通じて経営統合に向けた協議や準備作業を進めていくとしている。
今後の展開として、JCNのCATV事業における地域密着サービスや、スマートテレビサービスに関するノウハウを共同活用していくほか、KDDIが持つauブランド、移動通信・固定通信における技術開発力を、住友商事が持つ多様な事業領域と連携しながらケーブルテレビ事業への取り組みの強化と競争力の向上を図っていくとみられる。
(山下香欧)