NHKでは来年2月に開催される、ソチ冬季オリンピックでのデジタルサービスの内容を発表し、特別サイトも開設したところだが、米国で公式放送権を持っているNBCUniversal(NBC)のもとNBC Olympicsでも、マルチデバイスでオンライン視聴ができるアピールを開始した。特設サイトでは、自分が加入しているケーブルTV、衛星、電話サービスを通してオンライン視聴ができるかを確認できるようになっている。

NBCはオンライン放送に関して、アドビパス(Adobe Pass)プラットフォームを従来から導入しており、今回のマルチスクリーンによるオリンピックのオンライン放送に関しても、専用のアプリNBC Live Extraを通して有料テレビ加入者を認識し、認証できる仕組みとなっている。

NBCでは、昨年のロンドンオリンピックでは、1000万台のデバイスへストリーミング中継を行えたという。今回の冬季オリンピックでは、“いつでもどこでも視聴できる”環境をもっとシームレスに提供できるように改善が施された。自宅内であれば使っているネットワークのIPアドレスを認識することで有料テレビの加入者アカウントが確認して自動認証、アプリへ自動アクセスできるようになった。この仕組みは催事開催直前の2月6日から利用できるようになっている。

NBCは、前回の冬季オリンピック(バンクーバー)から倍の1000時間以上の中継ストリーミングを実施する。ソチオリンピックは、NBCでファイナル競技を含めて98競技をオンラインで中継する初の世界規模イベントとなる。

バンクーバーオリンピックでは、8億ドル以上支払って放送権を獲得したが、結果は2.2億ドルのロスとなった。ソチでも同等の7.7億ドルでIOCと締結している。

(山下香欧)